旅のこと

仙ノ倉山☆〜梅雨の青空と花道を訪ねて〜

平標山のハクサンイチゲ

仙ノ倉山は新潟県と群馬県の県境にある、標高2,026メートルの山です。

谷川連峰の西よりにあって、谷川連峰の中では最高峰の高さがあります。

西側の平標山から、東側にずーっと谷川岳まで連なる山々のトレイル。

空の中にある稜線の道と、お花畑の仙ノ倉山へ行ってきました。

2023年6月下旬 行き先は仙ノ倉山

✿もくじ✿
●平標山登山口元橋駐車場から松手山コース
●鉄塔から松手山
●平標山への草原な尾根道
●お花に間に合ったね!稜線歩きと仙ノ倉山
●平標山ノ家から平本新道

●平標山登山口元橋駐車場から松手山コース

梅雨の晴れ間を狙っての6月の週末です。

さすが大人気・・・(^_^;)

平標山と仙ノ倉山登山口の駐車場には続々と車が入ってきます。

駐車場整理と駐車料金の徴収とで、係の方もたくさん。

こんなに賑やかな登山口はなんだか久しぶりで、みんな山を待ち焦がれていたんだって、嬉しく思います。

駐車場にあるきれいなトイレ棟の左奥に進むと、登山口への車道があります。

山中に入ると平標ノ家にしかトイレはありませんから、しっかり利用しましょう(^_^;)

花の名山に入る人々へ向けて、心温まるメッセージ看板が立てられています。

その時を待って咲く花たちを愛で守る・・・大切なことですね。

さぁ、スタートです!

樹林帯の急登が山の中へ、その奥へと続きます。

登り始めから、なかなかの急登に身体を慣らしながら登ります。

息も上がるけど、湿度を多く含んだ気温もどんどん上がって、汗が噴き出し始める初夏。

そんな森から抜け出る頃、さっそくヤマツツジが華やかにお出迎えです

(≧∀≦)

あー!夏じゃん!

青空が眩しいけれど、梅雨時期ならではの空気密度。

今日は暑い日になる。

まだまだ、鉄塔までは長く感じつつ、再び森の道。

明るい道では日射しを遮る木陰がありがたいです。

登山道の脇に咲く、涼しげなアマドコロが白い提灯のようで可愛らしい。

強烈な光が木の隙間からも刺してこんで、梅雨晴れの山道は亜熱帯。

ヤマツツジに彩られたジャングルみたいです(^_^;)

鉄塔へと抜け出ました!

眩しすぎて厚い〜(@@;)!!

ここからは、日射しを遮ってくれていた木々とはお別れですが、代わりに風がやって来ます(^o^)

●鉄塔から松手山

鉄塔下は休憩ポイントで、大賑わい。

色んなハイカーさん達が休憩をしています。

グループもソロも関係なく挨拶や会話を交わす風景に、山が帰ってきたって感じ。

空の雲はモッタリな感じで、少々怪しさもあるけれど、登ってきた森に延びる送電線の向こうには苗場スキー場。

尾根伝い緩やかになった道は、樹木の隙間から時折遠くを見せてくれます。

樹林帯の中、足元の道に咲くカラマツソウは、未だ瑞々しくて白い線香花火のように微笑ましい。

松手山に到着です。

このピークは松手尾根コースと合流するポイントででもあり、ここも大勢のハイカーが休憩を取ります。

道は松手山で樹林を抜け出します。

平標山への尾根道が遠く弧を描いて見渡せます!(≧∀≦)

山頂にはハクサンシャクナゲが、見頃に咲いて迎えてくれました。

さあ、ここからは極上な稜線歩きのはじまりです!

●平標山への草原な尾根道

まずは緩く下り道。

足元から目の前に歩く道を俯瞰して見渡せます。

この先の道へと向かう楽しみが胸にこみ上げてくる(≧∀≦)

道の横にはハクサンチドリの美しい紫色がパッと目を引いて、見逃しようがありません。

七合目の道標先も、歩くハイカーの姿が九十九折りに遠くまで見えます。

みんな、当面の目的地は同じですね。

八合目からは、ハイマツの急登箇所に。

整備されて木の階段もつけられていますので快適です。

振り返って、登ってきた尾根道と松手山を見下ろします。

良いですね〜・・・

足元には可愛らしい初夏の花も顔を出し始めます。

白いマイズルソウや黄色いミヤマキンポウゲ。

9合目です。

熊笹に覆われた丘陵のような尾根道の先は平標山の山頂ですが、空の青空は無くなってしまいました(T-T)

平標山の山頂に到着です!

ガスに覆われて白い景色ですが、本当にたくさんのハイカーがランチ休憩で寛いでいます。

グループ山行の人が多くて笑い声が聞こえる山頂です。

仲間と一緒に登る山は、どんな天気でも笑顔溢れる楽しい山行ですね(^▽^)

●お花に間に合ったね!稜線歩きと仙ノ倉山

ランチ休憩をし、仙ノ倉山に向かって出発です!

平標山まではハイキングで訪れたことがありますが、仙ノ倉山へは始めての道です。

休憩中に少しでもガスが抜けてくれたらなんて期待しましたが、しっかり張り付いた様子で動こうとしませんね(T-T)

先に何にも見えない景色です。

足元の木道を見下ろしながら、晴れていたなら遠く谷川岳へ向かう稜線の一端を見渡せたのかな?なんて思いますが、山バカにはコレはコレで美しいし、楽しかったりします(^0^;

そして、それは突然に足元にやって来ました。

お花畑です!(≧∀≦)

一面のハクサンイチゲ・・・!

稜線上の山肌に、咲く時を待って一斉に開いた花々。

なんと可愛らしいハクサンコザクラ(≧∀≦)

チングルマもまだ咲いていてくれました。

チングルマとハクサンコザクラとミヤマキンポウゲも仲良く一面に咲いていて、向こうの山影が見守っているみたい。

曇り空。

先の道は見えなくたって、足元に咲く花々があることがこんなにも嬉しい。

なんていうか、マラソン大会の沿道応援みたいな?(^0^;)

お花畑も、仙ノ倉山まで延々と続いているのではなく‥

続くのは延々と稜線上の木道美です。

こんな荒涼とした感じも、この山域にまたよく似合う情景。

白く覆われた世界の中、一本道が霞んでいく情景。

その一本道に身を置く情景。

仙ノ倉山ピーク手前は導かれるように穏やかな階段道をポクポクと登ります。

すっかりガスに覆われてしまって、一步一步だけが実感を呼ぶ道。

仙ノ倉山の山頂に到着です!

ここも大勢のハイカーが目的のピークに立った喜びと休憩を楽しんでいます。

晴れていれば見える山々の方位盤は年期が入っていて、でもこんな風に景色が広がっている事を教えてくれます。

今回は残念だったけど、またいつの日か・・。

●平標山ノ家から平本新道

仙ノ倉山から平標山まで、ピストンで戻ります。

あらあら、山頂を後にした後にガスが少しだけ移動し始めましたよ!

こんな形をした山だったのね(^0^;)

でも、見られてラッキー!

行きでは気付かなかった前仙ノ倉山という小ピークもあって、ピストン道が新鮮で新しい道ですw

●平標山ノ家から平本新道

お花畑にただいまと挨拶をして平標山へ戻り着きました。

そして、下山ルートの平標山ノ家から平本新道へ向かって下り始めます。

空は変わらず雲が支配しているけれど、見下ろしながら歩く道は眩しく照らされています。

軽快に同じリズムで木道の階段を下っていくと、平標山ノ家の赤い屋根が見えてきました!

可愛らしくてなんとなく牧歌的な景色。

赤い屋根っていいですね( ´艸`)

そして、振り返って平標山を見上げれば、雲がちぎれて吹っ飛び中。

大気は落ち着いた夕方の時間帯へと移り始めたようです。

平標山ノ家につきました。

きれいな山小屋で、ここも沢山のハイカーが集っています。

登山口から近い山小屋ということもあって、売店は充実したラインナップ。

自家製ジュースや、湧き水で冷やされた缶飲料は清涼感がありますね!

そして小屋前の広場からは、最後も仙ノ倉山を見ることが出来ました。

登った山の姿も分からないままっていうのも、やっぱり寂しいから嬉しいです。

現れた山容は少しだけ雲に隠れていたけれど、きれいな形。

いつもこやって雲と戯れているのかな・・・。

平本新道は山肌の森の中を下って行きます。

整備された木の階段を下って下って、ひたすら下る急登の道。

あっという間に登山口の林道に下り着きました。

沢に沿うように長い緑の散策路が延びて、気付けばスタートの駐車場へと戻してくれました。

たぶん今回は、花の仙ノ倉山にギリギリ間に合ったんじゃないでしょうか。

梅雨時の晴れ山を掴むタイミングとか、目当ての花が咲くタイミングって、とても難しいです。

花たちの咲く時間に時を合わせなければ、この花たちには遭えないので、天気や都合とにらめっこして狙って行くか、たまたま偶然のラッキーか。

当の花たちは、自分たちの都合で咲く時を待って、人なんか関係なくって、人知れず咲き、自分の居場所で今ぞと咲き誇る。

そんな花を求めて今年も山へと逢いに行って、また来年ねって花と約束してくる。

そんな山の行き方も素敵ですね。

今回の山歩きルート