旅のこと

秋は、嵐のち快晴☆鹿島槍ヶ岳〜五竜岳

キレット小屋に行ってみたくて

鹿島槍ヶ岳と五竜岳の線を繋ぎに行きました。

 

猫にマタタビ、人に山旅(≧∀≦)w

2021年10月初め 行き先は鹿島槍ヶ岳と五竜岳。

鹿島槍ヶ岳と五竜岳は、北アルプス後立山連峰にあるお山。

鹿島槍ヶ岳は、猫耳みたいな双耳峰が遠くからも目を惹く山容。
南峰の2,889mの方が高いピークになります。

五竜岳の標高は2,814mで、思わず「五竜の兄貴!」と呼びたくなるような、どっしり腕組みしたようなお姿。雪で菱型が浮き出ちゃうのもアニキっぽいですw。

ふたつの山を繋ぐ道が、日本3大キレットの一つと言われている、八峰キレット。
そして、この道にあるキレット小屋が、また凄いところに建っているのです。

1日目。
扇沢から柏原新道→爺ヶ岳→冷池山荘(休憩)→鹿島槍ヶ岳→キレット小屋(泊)

 

おはようございます!

ちょっと、天候が怪しい秋の朝ですが、
予報では回復していくよう。

午後からの好天を期待して
柏原新道の登山口からスタートです。

 

登山口には、
メッセージ看板が立てられていました。

コロナ禍の安心安全のための取り組み。

お互いを思い遣るためのルールですね。

 

柏原新道です。

この道は、とても丁寧に整備された
登山道で知られています。

以前、テント泊装備で歩きましたが
重い荷物を背負っていても、とても歩きやすかったのを思い出します。

 

 

木々の間から、
安曇野の街が見えてきました!

雨も、降りそうだけど、
なんとか保っている

 

 

 

見上げれば、森の木も曇り空を見上げてるみたい

 

しかし、なんて美しく整備された道でしょう。

石畳を敷き詰めた様な登山道!

柏原新道すごいわ・・。

 

 

扇沢の駅が小さく見える。

雲が降りていなければ、
新越山荘や針ノ木岳へ向かう鳴沢岳の稜線が見えるはずなのに・・

 

標高が上がるにつれ、

秋っぽい色合いがちらほらと・・

 

 

紅葉に染まり始める登山道です

石畳に落ちる赤い紅葉。

とても山の中の登山道をは思えません。

スルスルと歩きやすい道に導かれて

気付けば森を抜け出した様子

草原のような広がりの足元には、赤い絨毯に稚児車の可愛らしい綿毛

 

稜線に乗ったところで
種池山荘に到着です。

 

少しブレイクタイムをとり、
いよいよ稜線の道がスタート!

ガスに覆われているけど、向かう道がずっと伸びている様子が思い浮かぶ。

右横はなだらかな草原

曇りの中でも、隠しきれずにある光の粒が、セピアな赤と緑を映えさせる。

相変わらずのガスで先は見えない・・

道は爺ヶ岳へと、ハイマツの中を進む

 

 

 

曇り日和といえば、姿を現す子たち。

出会う度に、気持ちが癒されます♡

今回は何度も、縄張りが変わる度に
たくさんの雷鳥さんに会いました。

 

 

 

爺ヶ岳ピークはスルーにて巻道選択。

 

だってもう時間が押してるし、
曇ってるし、

以前、晴れた日に行ったことあるしw

 

 

 

冷乗越の分岐です。

右には赤岩尾根の登山道があります。

行く先も、分岐道もガスって見えません。

やっと冷池山荘に到着です。

雨が降り出してきました。

 

寒いしお腹すいたよー (T ^ T)

 

 

冷池山荘でお湯と併せてカップラを購入

中の暖かな休憩エリアを
使用させて貰いました。

温かなカップラ一杯の効果は
実に大したものですw

冷池山荘からは紅葉の道

曇っていても、やっぱり光の粒が抑えきれない色たち

 

 

雨粒ぷるんとビーズの飾り

赤いナナカマド

曇りだって雨だって、紅葉は美しく輝く

布引山です。

もちろん眺望はございません(^◇^;)

でも、ここからは本当は、猫耳な双耳峰が間近に見えます!

残念〜(T ^ T)

振り返る稜線

 

さぁ本日の目的地、鹿島槍ヶ岳ピークへ!

前を見て進むしかない!

 

 

足元の山肌の美しい草紅葉と、雲の中に少しだけ剱岳が覗く

鹿島槍ヶ岳の北峰までの

なんと雄大な、これぞ稜線っていう道

 

かっこいい道

 

鹿島槍ヶ岳山頂に到着です!

南峰2889.1m

 

三角点にそっとタッチして、

先に進みます。

 

雨が降りそうで降らない。
直ぐにも雨に変わりそうな霧の粒。

知らない内に濡れていく感じです。

トウヤクリンドウも保湿たっぷりw

雷鳥さんにも見送られます。

さて、いよいよ本日核心部

八嶺キレットを越える道へと進みます。

猫耳、北峰はパス!
こちらも晴れた時に行ってるしw

写真だけ撮っておこうね。

 

分岐の吊尾根から

西側へ激下りしながら、北峰を巻きます。

立っていた稜線は上の彼方に・・

 


 

激下りの後は、
何も見えないガスの中を進み、

そのまま怪しげなエリアへと入って来ましたよ。

 

 

 

足元は崖

ガスって見えないのが

本当にありがたい。

 

見えない中、

いくつかの小さな岩を

登ったり、降ったり。

 

 

 

慎重に進む同行者さん。

 

 

ようやく、ようやく

キレット小屋の屋根が

眼下のガスの中に現れました!

 

 

本日のお宿、泊まってみたかったキレット小屋です!

ちょっと、遅い到着になり過ぎてしまって、反省ですが・・、

小屋スタッフさんが、
暖かく迎え入れてくれ、

すぐ食事の用意も(๑>◡<๑)

 

感染対策で、就寝スペースに簡単な仕切り板が施されていました。

ちょっとした個室感があって嬉しいです。

持参をしたシュラフカバーを使って、
自分からも感染予防です。

悪天候の中、よく歩いてお疲れ様でした・・おやすみなさい

zzz(_ _).。o○

2日目

キレット小屋→五竜岳→遠見尾根→テレキャビン

おはようございます!

キレット小屋はこの年は小屋じまいです。

美味しい朝ごはんで、今日のエネルギー充填!
スタッフさんから、また来年は天気の日に夕日を見に来てくださいね、と。ぜひ、来ます!

 

2日目もガスの中の出発。

いきなりの下降。

慎重に長い鎖場を下る。

他のグループさんと連なるって、鎖場の長さがわかる写真ですね。

今朝も雷鳥さんに出逢います。

そろそろ、
晴れの天気が欲しいんだけどなぁ。

なんて思っていたら・・・

 

北尾根の頭で休憩中に、真上に青空が!

キタキタ〜(^o^)

 

 

雷鳥さんの羽根が落ちていました。

ラッキーチャーム!

旅のお守りですね(*’▽’*)

 

少し雲が切れて遠見尾根の山肌でしょうか?

シラタケ沢の方を見下ろせましたよ!

 

 

そしてようやく、青空がやって来ました! ちょこっとだけ剱岳の影w

 

G5岩峰を通過

 

 

 

稜線の岩道はアップダウンの繰り返し
晴れと雲の中の繰り返し

 

長いキレットを終えて

五竜岳に取りつきました。

 

 

山頂へ向かって、壁のような岩の急登を上がります

いよいよ五竜岳のピークが間近に!

 

キレットへ進む人への看板です。

線繋ぎ出来たみたい!

 

そして、五竜岳山頂に到着です!

三角点にタッチ

 

何年ぶり?

山頂標に再会のハグも・・w

 

五竜山荘へ行く道は濃い青空と白雲の中を歩く

五竜岳から伸びる、遠見尾根を見下ろします

 

雲の流れる先に見えた。

五竜山荘の赤い屋根と

武田菱マーク!!

 

 

五竜山荘でカップラランチ!(^O^)

 

これから歩く遠見尾根を臨みながら

最高に美味しい神メ〜ンですw!

 

五竜山荘を後に、白岳から望む唐松岳への道

美しい道です

 

そして、これから向かう遠見尾根へと伸びる、なんて遠く続く道

振り返って、

遠見尾根から直ぐに見える、横顔の五竜の兄貴。

奥には猫耳のシルエット

 

西遠見山の片斜面は紅葉盛り!青く鹿島槍が覗いてる

振り返れば、紅葉でデコレーションされた五竜岳

遠山の金さんみたいに、勝負服の片腕まくっちゃった感じっていうかw

池塘から、ちょっぴり逆さ五竜岳。

 

待ち焦がれた青空!

紅葉真っ盛りな遠見尾根です!

向かう大遠見山への歩きも、気持ちいい尾根道。

左側には八方尾根と白馬の町が見えます。

そして正面の、なんてまぁ!美しい錦の大遠見山 o(≧▽≦)o

登り返しは、見ないことにしますw

振り返れば、五竜岳が遠くなっていました。

 

そして、鹿島槍ヶ岳の北東にあるカクネ里氷河。

近年の学術調査で認定されたばかりの氷河です。

カクネ里に暮らした人が本当に居たのかな?

あまりに厳しくて、あまりに美しい場所。

なんだか不思議な感じがして、ロマンですね・・

お昼過ぎ、午後も深まった頃に中遠見山に着きました。

あの、嵐の面影など全く無くなった北アルプス。

歩いてきた道は、歩いている時には見えないけれど、

振り返って、遠くなって、見える・・。

 

小遠見山へ向かう道に

不思議なデザインの木w

小遠見山の紅葉も素晴らしいです。

 

 

 

小遠見山からは、さらに鹿島槍ヶ岳がよく見えます。

 

 

 

 

 

ここには立派なケルンが置かれていて、

美しい山と、懐かしい里を見ることができます。

 

 

小遠見山からのオーラスな道

あんまりな美しい広がりの開放感と

まだ続く道の美しさに、喜びだけを思います

そして、何度も振り返る道

遠見尾根

たった2日間を過ごした、長くて濃い場所を、ひと目で見せてくれました。

長かった遠見尾根の終点、白馬五竜スキー場のテレキャビン駅が見えて来ました。

楽しい山はおしまいです。

街に里に、帰れる喜びがあるのも、山旅の良いところですね。

 

よくあるパターン?

それぞれ山は踏んだことがあるけれど、
五竜岳から先へキレット越えと、鹿島槍ヶ岳から先へキレット越えに、
後ろ髪を残すパターン。

両側から先を見て、先の道を歩いてみたいっていう、
ポッカリ空いた部分がどうにも気になるヤツ・・。

それから、もう一つ気になっていたのが、キレット小屋。
あんな場所に、まさにポツンと一軒家(^◇^;)

その建っている景観だけでも、すごく価値があって、世界ふしぎ発見的建築物。
私の中では、日本のマチュピチュ?くらいな、一度は行ってみたい場所なのでした。

たったの2日間で、雨と晴れとのドラマチックな天気でしたが、久々ガチな悪天候の中、遅い時間帯に八峰キレットを歩く選択に関しては、今回の反省点。
キレット小屋には、疲れ果てて転がり込んだ様なものだから、本来の晴れたキレット小屋の姿を見てみたかった・・・。

それから、カクネ里。
以前に鹿島槍の山頂から見下ろした雪渓を、上からまた見たかったのですが、残念。

天気の悪い時に長い道を歩くと、更に長く感じてしまって、
まだ着かないの?って焦る気持ちが、歩くという作業しているだけに思えて、つまらない。
だから終わった時の喜びの内訳は、美味しいビールと、歩き終えた達成感が殆どになるみたい。

でも、2日目の全てを挽回するような、キラッキラな晴れへの変化は、
山の姿を、こんなにもドラマチックに変貌させること、目の当たりにしました。

山歩きは、他からの介入しようがないシンプルな遊びだから、
お天気みたいにシンプルに、良かったことと、悪かったことが、気持ちに映し出されて、
晴れや雨の自分を知ることができるのかも知れない。

シンプルに想うことは、
キレットを歩いて、ポッカリ空いていた部分を繋げられたことと、
秋盛りの、華やかで美しい遠見尾根を歩けて良かったってこと。
そして、またキレット小屋を訪れて、夕陽の中に立ちたいなぁ!ってこと。

ということで、いつかの次は、逆ルートで”晴れたキレット”を歩きますよ〜!!