
茅ヶ岳山頂からの富士山
茅ヶ岳は山梨県にある標高1,704mの山です。
日本二百名山と山梨百名山に選ばれていて、近くの八ヶ岳に似ている山容でニセ八つと呼ばれたそう。
日本百名山の著者である深田久弥終焉の地でもあるため、巡礼も含めて訪れるハイカーも多い山です。
首都圏からも近い茅ヶ岳に、のんびりハイキングへ行きました。
2023年7月中旬 行き先は茅ヶ岳
✿もくじ✿
●深田公園登山口から、すぐに深田公園
●谷道は林から岩の道
●深田久弥終焉の地から山頂へ
●下山は尾根道
●深田公園登山口から、すぐに深田公園
天気もいまいち。
短い行程なハイキングなので、のんびりスタートの朝。
深田公園登山口のとても広い駐車場は平日の為でしょうか?
空いてます(^_^;)

この駐車場には韮崎駅からのバスが運行をしていて、登山客のために他の登山口のダイヤが記載されています。
深田記念公園から入って、茅ヶ岳と金ヶ岳の縦走を歩き、PICA八ヶ岳明野バス停のふれあいの里登山口へ下山できたり、逆コースも選べますね。

バス停からすぐの登山口には韮崎市の大きな地図看板が立っています。
たくさんの山に囲まれて、自然に恵まれていることが分かりますね。
そして無性にフルーツが食べたくなりますw

さて、スタートです。


別荘がチラホラ見える林道を行くと、すぐに分岐です。
左へ行くと深田記念公園で、右は茅ヶ岳への登山道なので、まずは深田記念公園へ立ち寄ってから茅ヶ岳へ向かいましょう。

坂道を少し上がると小さな広場があって、そこが深田記念公園です。

深田久弥の有名な句が掘られた石碑と、略歴の書かれた看板だけのシンプルな記念公園。
これだけ?って思いそうですが、飾らず盛らず、シンプルさが深田久弥な感じがします。


●谷道は林から岩の道
分岐にもどり、茅ヶ岳登山道へ進みます。
緩やかに緑の林に囲まれた道がまっすぐに伸びて、木々が手招きしているみたい。

何となく素朴な、森の散歩道のような登山道。
道には青いクルミの実が落ちていたり、白いタマアジサイが咲いています。


緑の世界に入った、柔らかな好ましい森と道です。

しばらく進むと、道には岩が多く転がり始めます。
谷筋のルートで、影の多い道なせいでしょうか、石はどれも細かい苔が吹き付けられたように緑色をしています。

しっとり苔の美しい森。
誰かが通りすがりに積んだ小さなケルンが、人と道の繋がり合いを感じますね。

右にクランクする涸れ沢っぽいポイントには立入禁止のロープ。
大きい岩がゴロゴロしていて女石の水場のようですが、落石の危険性が高いため立入禁止である看板がありました。

●深田久弥終焉の地から山頂へ
女水のポイントからは大岩が多くなって、トラロープが補助に付けられている場所もありますが、楽しい登りです。
そして左に舵を切る道に出ると、山頂へ向かう尾根に乗り上げです。


ミズナラの緑が目に優しい穏やかな尾根道を登って行くと、すぐに深田久弥先生の終焉の地の石柱が墓石のようにありました。

お賽銭やお菓子、訪れた人達が石を置いて、まるで小さな塚のよう。
自然に手を合わせます。

石柱のある尾根には可愛らしい花が咲き、茅ヶ岳が偉大な登山家へ四季を通じて献花を咲かせているみたい。

山に咲く花そのままが相応しい。

快適な尾根道を行けば、すぐに茂みを抜け出て山頂です!

広くも小さくもない、秩父山塊の山らしい山頂広場。
山頂標も馴染み深い串団子ですヾ(^v^)k
あいにくの曇空ですが、その隙間からは遠くの山並みもなんとか見えます!


方位盤のようには見えないけれど、山頂標の向こう側から鳳凰三山と南アルプスがこちらを見ていますね!

そして、嬉しい眺望の先には青い富士山!(≧∀≦)
とても清楚な美しいブルー。
濃淡無い青い影姿で、富士山で在ることが富士山なんだと、その姿を見せてくれる。

本当に綺麗。
生まれ育った日本の山がとても好きなんだな・・・って
心の中に喜びを感じます。
●下山は尾根道
下山道は尾根経由深田公園コースを下ります。

深田公園からは、尾根筋の道と谷側の道とありますが、ナチュラルに進むと谷筋登りで尾根筋下りでしょうか(^_^;)
下山の尾根道、楽しみです(*^_^*)

さっそく、ゾクゾクする好ましい尾根道。
さぁどうぞ、と道が延びています。
雲が降り着いた、神秘的なモスグリーン。

しっとりした森には小さくて癒される植物がそこここに居ます。

ポロリと苔の岩に落ちた白椿。

キバナノヤマオダマキが優雅に会釈しています。
あら、銀竜草も・・・(*^_^*)

茅ヶ岳は何年も前、秋に一度歩いたことがあったけれど、違った季節はやはり違うものですね(^_^;)
秋も素晴らしかったけれど、夏の茅ヶ岳も素晴らしい!

年月を重ねることで繰り返す森の景色は、当たり前のように今も在ってくれるけれど、この後もあると良いなって思う。

雲に覆われていても、日射しの薄明るい午後。
コナラかな、ミズナラかな?ずっと一緒に歩いてくれた気がする。

前山大明神林道に出れば、スタートした深田公園登山口はすぐ。
もうお終いかぁ・・・。
茅ヶ岳は少し特別な要素があるせいか、考えながら歩く山かも知れない。
登山にハマって、いつしか未だ見ぬ日本の山々に思いを馳せる動機になったのは、やっぱり深田久弥の日本百名山。
山が好きで、夢中に手当たり次第に行きたい山へ向かった頃は、特に知らない人が勝手に選定した名山なんて価値も無かったけれど、自分で山々を巡るうちに、他の人の価値観と比べてみたくなって、その選定された百名山が自分にとってどう感じるのかが気になった。
たぶん、山が好きな人の数だけ日本百名山はあるのでしょうね。
きっと深田久弥先生もそう思っていて、深田久弥の日本百名山は先生だけのもの。
そして、それぞれが自分だけの百名山を持っている。
そう感じた小さな山旅でした。
今回の山歩きルート
