中岳第1火口
九州のほぼ真ん中にある阿蘇山は、
広大な外輪山に囲まれた二重式火山。
世界最大級の大きさで、
更に広がる火口原まで含めて阿蘇山と呼ぶそうです。
阿蘇山という世界。
mataTabi
2022年6月 行き先は阿蘇山。
梅雨の季節。
きっと曇天でも、どんより雨雲+どんより噴煙の相乗効果で、それはそれできっと雰囲気ありそうじゃん。
そんな、虫の良い誤魔化し気分で、雨でも楽しもう!って、九州は火の国熊本の阿蘇山へ梅雨のハイキングへ来ましたヨ!
でもねー、普段の色々といい子にしてるから、雨なし雲多めなスタートです(*^o^*)
仙酔峡ロープウェイ駐車場
今回は、⑥の仙酔峡ロープウェー跡ルートから→⑦火口東展望所ルートから→⑨仙酔尾根ルートを歩いて周回します。
かつて、ロープウェー駅から歩いて上がるために整備された遊歩道。
ひび割れたアスファルトの隙間から生えた雑草が、地面を取り戻そうとしている。
そして早速に、独特な世界感がこちらを待ち構えている。
遠く、転々とロープウェーの支柱が行く道を教えてくれています。
自然の中に造られた巨大建造物の景観は、立派だけど何となくもの悲しく思う…
緑の地面と、ポコポコと溶岩の奇石が混ざり合う山肌。
振り返れば仙酔尾根が左手に見下ろせます。
見上げていた鷲ヶ峰と虎が峰のギザギザも高岳も、目線が近づいて来ました。
そしてロープウェー「かこうひがし」駅の廃墟がもうすぐそこに。
その手前には、中岳迂回路分岐のペイント文字があります。
仙酔峡ロープウェーは1964年に開通して、五月にはミヤマキリシマの群生を見に、多くに観光客が訪れたそうです。
中岳の噴火や、ロープ摩耗で運休した事もある中、施設やゴンドラをリニューアル等をして運行再開をするも、熊本地震の為にロープウェー自体へのアクセスが困難になり、撤去。
火の国だからって訳じゃ無いけれど、特にこの地は火山と地震がともにあって、人が何かを築いては崩されて、でも抗いながら月日を重ねて先に進んでいく。
ロープウェー廃墟を過ぎれば、朽ちた遊歩道が火口東展望所へ続いています。
道の途中に転々と丸い屋根の待避壕が、こちらは現役で設けられています。
火山活動も地震もいつ見舞われるかなんて、誰も分かりません。
そして、火口東展望台に乗り上げた瞬間に対峙する、圧巻の光景!
凄い…のひと言です。
人の耳のような形の火口と表現されている火口壁。
巨大な穴を縁取る壁は、無理矢理に大地が中から押し出されて歪んでいる。
火口東展望所からは、火口西にむかって第1火口、第2火口、第3火口、第4火口と見下ろすことが出来るけど、大きすぎてどれが何番目の火口なのかも分からない。
中岳へ向かう稜線。
こんなに荒涼とした道を見たことがない。
異世界すぎて、SFやファンタジーの世界に迷い込んだみたいです。
空に大きな惑星や、月が2つ浮かんでいてもおかしくないw
惑星ASOの稜線を詰めて行けば、今度は要塞が出現しそうな岩稜の丘を超えて進みます。
周回だから、左を見ればさっき歩いてきた道が見える。
そして、中岳のピークが見えてきました!
火成岩の層が幾重にもミルフィーユみたいに見える。
どんな風にしてこんな形になったのか、想像も付きません。
中岳の山頂に着きました(^^)/
背中には第1火口の噴煙がぼわぼわ排出されています。
地球の中に、この地面の下に、こんなに巨大なエネルギーが入ってるって、ちょっと恐ろしい。これはまだまだほんの一部なのに…(^_^;
あんまり気持ちいいモノではないですが、山頂標には沢山の虫さんがひっついていました。
なんで??
こんな環境下には昆虫が一番適していて、外敵がいないから虫の王国なのかもしれないですね。
続いて、高岳へと向かいます。
こんなふうに、丁寧な道標がいくつも立っています。
雲が出張ってきたけど、雨はなさそう。
標高が高い場所なので、蒸し暑さもあまり感じなくて良い。
すっかりガスに包まれてしまった高岳山頂へ到着しました。
阿蘇山の中で一番高い山頂1,592mです。
ちなみに九州の山では6番目に高いです。
ここでランチタイムです。
コンパクトゴトクと固形燃料をで即席のかまどです!
たった11gのステンレス製で、洗練されたフォルムのゴトクを初使用(^o^)
ちっさなシェラカップをちょこんと乗せて湯沸かしですが、カップがぎりぎりでバランスに少し苦戦(^0^;)
保冷ランチボックスも軽くて、おにぎりを潰さずに活躍です。
軽い装備なのに、暖かなお茶で美味しいランチタイムになりました。
ランチを終える頃には、ほんのり雲も薄らいできて、月見小屋が見えました。
ここから見上げる月は、きっと直接に宇宙の中で観る月なんだろうな…。
さて下山です。遠くに出発したロープウェー駅駐車場が見えます。
天狗の舞台と言われるのも分かる眺望です。
先ずは崖を下り降りるような道。
地図にも、まさかの崖マーク上に登山道が…(^0^;)
やばい道にしか見えないです。
のぼりで使用した方がよかったかな?
あっという間に、鷲&虎ヶ峰の横に降りて来ました。
下から見上げても、横から見てもカッコイイ鷲と虎です。
そして眼下に広がる光景は鳥の目線のそれ!天狗かなw
仙酔尾根は単調な急坂のバカ尾根だそうですが、おバカ上等(≧∀≦)
惑星のこっち側は、次々美しい緑の景色を見せてくれる!
スタート地点に戻ってきました。
長い崖道の下山は、この行程の中で一番に大変だったけど、面白かった!
そしてサプライズ!!
そのまま駐車場に戻ろうとしたら、すぐ横に素晴らしく美しい沢がありました。
滴る沢水の向こうに覗くのは、天狗の舞台…。
なんて美しい神秘的な場所なんだろう…。
この澄み切った青磁色は火山岩に掛かる釉薬のグリーン。
調べても記載が見当たらない、まるで秘密のような沢のお池がありました。
今回の行程地図
何度も立入規制を繰り返していて、地理的にも条件的にもなかなか行けなかった阿蘇山。
どうも最近、4月15日から阿蘇山噴火警戒レベルが2から1へと引き下げられたとのことで、今度またいつレベルが上がるか?その前に行っとかなきゃ!!と、梅雨時なのですが行ってきましたw
概ね火山の日本列島は、北の火山と真ん中辺りの火山と南の火山とあって、当たり前ですが山が違うように火山の雰囲気も違うものですね…。
アルプス辺りの火山は深くて穏やかな感じがするし、北の方は雪の兼ね合いで削られてる感じがするし?
じゃあ九州はどうかな?って今回で感じたところは、何というか、のびのびとした火山とでも言うか…
そんなイメージに思いました。
とにかく阿蘇山の中岳第1火口は、間違いなく世界規模の噴火口の大迫力。
ここまで間近に体験できると実はあまり思っていませんでした。
なめてました(^_^;
もし、いつか可能なら、かつてのようにロープウェーで、誰もがここに来られたら良いな。
子供達が、この地球の入り口のような大穴から、地球の営みを自分の目と肌で感じて、体験してビックリしてくれたら良いな。
そんなことを思った惑星火山でした。
おまけの “ちょこっとグルメ”
熊本市中央区下通の小さなビルの奥に、隠れ家のような創作懐石のお店へと立ち寄りました。
お店の名前は 「和食 あじ」
人柄の良さが一目で伺えるご主人が、ひとりカウンターの中で腕を振るっています。
採算を取る、という概念がおそらく見当たらないパフォーマンスのひと皿達。
5000円のコースみだけどいいですか?と直前に電話予約で言われましたが、とてもラッキーなタイミングだったのだと思います。
前菜からボリュームのひと言。
そして次々に進むお料理の内容はどれも美味しく、途中から、何となく勝負している気持ちにもw
懐石料理について感想ではないですね…(^0^;)
お酒も、本当に惜しみなく酒器に注がれて、たっぷりと美味しい夏酒を味わいます。
食べきれずに敗北ですが…、お土産として美しくお弁当にして下さいました。
次回は食事を抜いての万全の体制で挑戦ですね!(あれ?懐石だよね?w)
熊本市中央区下通1-11-8 甲斐ビル 2F
「和食 あじ」
営業時間
11:00~14:00 18:00~23:00(L.O.22:00)
定休日
無休
電話 096-355-7117