男三瓶山
神話の時代の逸話がある山って、中国地方ならではと思う。
日本が出来た頃、神様と人が一緒に暮らしていた場所。
人の力が及ばない事柄の理由は、神様が知っているから、
言葉じゃなくて、身体全部で理由を聞いてきた。
mataTabi 2022年11月
行き先は三瓶山
三瓶山は標高1,126mの活火山のお山です。
三瓶山は知らなくても、国引きの神話は聞いたことがあるかも知れないですよね。
非常にザックリとお伝えするなら、日本が出来て間もない大昔。
神様が狭い出雲国を大きくしようと、他の土地を引っ張って来て島根半島を作っちゃったという、壮大な土木工事のお話。
その時に縄を掛けて引っ張る為の杭にしたのが三瓶山と大山・・・って、
スゴイ〜(O_O)
かく言う自分も、国引き神話は、島根県の観光大使で有名な某秘密結社の戦闘員である吉田くんに教えて貰いました(^_^;)
今回は、東の原ルートから縦走ルートを歩いて男三瓶山をピストンで歩いてきます。
めっちゃ広い駐車場です!
目の前には女三瓶山が下から上までドーンってあります(≧∀≦)
スタート地点の東の原登山口駐車場は、太田市所有の三瓶山観光リフトがあって、リフトを利用すればリフトTOPから20分で女三瓶山へ登ることが出来ます。
かつては、スキー場として運営されていましたが、2009年に閉鎖されました。
でも、お洒落な感じのワイナリーや屋外レストランもあって、設備はとても新しくてきれいな観光地です。
入り口には三瓶山の地図看板が立っています。広いですね〜!
さて。残念ながら、観光リフトは10月までの運行なので歩きますよw
スキー場の横を、途中から林へ入って行きます。
雑木林の明るい林道は、緩い傾斜で、散策するみたいに歩きます。
鋭角に右へ曲がり、少し急勾配の道になって、グングン上がって行きます。
かつて、ゲレンデだった傾斜は、枯れ草の草原になって開けていて、まるで青空へ向かって歩いているようです。
リフトトップに着きました。
なんとも広くて伸びやかな眺めが広がる。
リフト降り場の小屋の向こうには、電波塔が建ち並ぶ女三瓶山が見えます。
大平山と、女三瓶山への散策路はきれいに舗装されていて、観光リフトが運行している期間は、多くの観光客が上がって来ていることが分かります。
道には、三瓶山の成因が書かれた看板がありました。
10万年前から火山活動が始まり、数万年おきに爆発噴火を繰り返している活火山。
すぐ側には成因その2の看板もあって、お勉強させて貰います。
最新の噴火が1万年から始まって4千年前までの間で、三瓶山のそれぞれの山の形が出来たそうです。
その前の三瓶山一帯は、今とは違う火山が出来ていたのでしょうね。
一体どんな地形の火山だったのかは、誰も分かりません。
すぐに大平山の展望台への階段のある分岐になりますが、スルーして女三瓶へ向かいます。
女三瓶山への道は古い石畳が出てきて、古くから歩かれている道だと伺えます。
やはり、ここから先へ行くような観光客は少ないのかな?(^_^;)
雑木と熊笹の混じった道をジグサグに女三瓶山へと上がって行きます。
やがて木々がなくなり、女三瓶山の見える所へと乗り上げると眺望の世界が待っています。
女三瓶山への肩ほどの位置に小さな展望台があり、ぐるっと周りを見渡せる!
ここからの女三瓶山は、冠のように鉄塔がハマってる感じ。
すぐ手前に男三瓶山への分岐道標があります。
南側は、孫三瓶と子三瓶がまるで手を繋ぐように、仲良く並んでいるのが見える。
そして、西には男三瓶山が大きく構えている。
山頂手前の分岐から男三瓶山へ向かいますが、女三瓶山の山頂を踏みに寄りますよ。
女三瓶山の山頂に到着しました(^_^)
山々が青いウネリの様に波打っているみたい。
ひたすら青くて、眩しい。
すぐ、下には大平山の展望台から、孫三瓶山へ続く道が延びています。
なんと気持ち良さそうな・・・
先ほどの分岐に戻って、縦走登山道コースへ道を進みます。
正面にあるけれど、ここから一度下って登りかえします。
登り返しいらない〜!っていつも思うわ(^_^;)
男三瓶山の山肌から、自然林が流れる様にカルデラを覆い、子三瓶山を包み守っているみたい。
下り道は明るくて歩きやすい道。
山と山を繋ぐライン。
木々の隙間から男三瓶山のシルエットが待ってる。
再び高度を上げて木々から抜け出せば、背中越しに開けた景色が現れます。
カルデラの中にある室内池が緑色に小さく覗いている。
そして振り返った先は、歩いてきた道と女三瓶山が穏やかな山容。
女三瓶山から10分程度で、途中の小ピークの兜山です。
すぐに男三瓶山の細かな山の形が分かる位置まで近づきますね。
道は、大きめな岩も混ざり始めて、傾斜もキツくなってきます。
登山口の注意書きに記載されていた危険箇所に来ました。
ザレた山肌に道が続いていますが、横に歩きやすい道もあります。
踏み跡がいっぱい(^_^;)
道はまた、ちょっとキツい登り道を上がって進みます。
犬戻しって何だか登りがもっとキツそうな響きなんですけど・・・(^_^;)
って、やっぱり戻りたくなる感じの登り箇所がありましたよ〜。
眺望は完全に抜け出した感じで、広がっています。
そして、山頂下の切れ落ちた断崖の地層が現れて、その上にちょこんと展望台が見えます。
道は山頂下の崖を大きく迂回する様に、穏やかに昇りながら山頂方向へ詰めて行きます。
程なく、広場の様な分岐地点。
分岐には、さっき見上げていた崖の方向にロープが張られています。
ロープ越しに分岐からの眺望が広がって見える。
さて、登頂部の広い地形を歩いて山頂へ向かいますよ。
山頂避難小屋へ舵を取ります。
緩やかな丘陵を越えると、山頂避難小屋があります。
かわいらしい避難小屋。
中を覗いてみます。
ウッディな室内。
外観と同じに木の温もりがいっぱいで、屋根裏へ掛かるハシゴに登ってみたくなる(^_^)
小屋からまた丘を上がって行けば、そこに山頂があるみたいです。
丘を少し上がった所で振り返って、草原の小さな小屋を見返す。
ここって、三瓶山の山頂なんだよね?って不思議な感じになります。
そして、男三瓶山の山頂に到着です!(≧∀≦)
ひっろーい!とにかく広い山頂です!!
三角点と山頂票の遠いこと(^_^;)w
山頂の広場は砂利地になっていて、各登山道への分岐道標も点々と散らばってます。
山頂には、思い思いにくつろぐ人達のシルエット。
誰もが360度の景色の中心に、その身を置いている。
下から見上げていた展望台が、ベンチの休憩スペースになっていました。
とても素敵な展望テラスです(≧∀≦)
展望台の横には、りっばな瓦屋根の小さな三瓶山頂神社が建っています。
展望台には、ここからの景色の説明がされた看板もありました。
展望台は北に向かって景色を見せてくれます。
三瓶山麓の北の原から、遠くは島根半島や日本海が見渡せるそうです。
空は素晴らしく晴れているけれど、高い気温で霞んでしまう眺め。
残念。
でも看板に書いてあったみたいに壮大な物語を思い浮かべれば、霞む先には神話の時代かなw
再び、東の原へ向かう同じ道を戻ります。
戻り道は一望できるし、もう知ってる道だし・・
まだまだ、キラキラお日様の高い帰り道を、ゆるゆるのんびり歩きます。
三瓶山の世界は神話の世界で、その頃の景色と何一つ同じでないけれど、抜ける様な青空と、大気に舞い散ってる太陽の輝きは変わっていないはず。
三瓶山の天辺は国寄せの神様が見た景色で、神様は遠方を望みながら、
家族に例えられた足元の山々を愛おしく見下ろしたのかなw。
人間の想像力って、自然の中から湧き出るのかも知れないな。
ちょっぴり異世界チックな、神話の中のにある箱庭みたいな山でした。
今回の行程
山行4時間05分
休憩42分 距離6.8km 登り676m 下り677m