
Q&A 登山とか道具とかの疑問・質問

ネコです。
お山を歩き始めてみて、わからない事がたくさん。
いろいろ、教えてほしいです。

マタタビです。
山旅をしながら、気ままに歩いているよ。
ボクが知っている事をお話しするよ。
ネコがわかんを選ぶならどのタイプが良いのかにゃあ?
「エキスパートオブジャパン」
「マジックマウンテン」
「オクトス」
商品写真 | ![]() |
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メーカー 商品名 |
エキスパートオブジャパン HSスノーシューズ |
マジックマウンテン ラッセルEVO |
オクトス アルミわかんラチェット式Pro OX-097 |
フレーム材質 | アルミ(地金) | アルミ(メッキ塗装) | アルミ(メッキ塗装) |
ツメ材質 (フレーム留め) |
ステンレス (リベット打ち) |
ステンレス (ネジ式) |
アルミ合金 (ネジ式) |
固定方法 | ベルト | ベルト | ラチェット |
重量 (g) | 800g | 1000g | 1120g |
サイズ | 441㎜×182㎜ | 450㎜×190㎜ | 430㎜×190㎜ |
フレーム形状 | フラットフレーム (別タイプでベントフレーム有り) |
フラットフレーム (別タイプでベントフレームタイプ有り) |
フラットフレーム |
フレーム径 | 22mm | 21mm | 23mm |
商品リンク | Amazon | Amazon | Amazon |
フレーム素材?形状?ツメ留め?
何それ、わかんニャイ・・・
フラットフレームとベントフレームの違い




仮にアイゼンを必要とするフィールドを歩く場合に、ワカンを併用する使い方は、特に素人には危険であって、問題外とも思っているよ。


これらの要素が違う事で選ぶ基準になってくる。
◆軽さを重視しているエキスパートオブジャパンのワカン
フレームはアルミ合金でできていて、パイプの径は22ミリと、浮力にも勝っているよ。
でも、軽さを重視しているのでパイプ自体の厚みは薄い。
もう一点の軽量の理由は、アルミ地金のままで造られていることで、そこが他のメーカーと違う点だね。
雪をすべらせるメッキ塗装が無いパイプなので雪の付着が多くなって、結果的に重くなる事もある。
ステンレス製のツメは、左右2枚のパーツをスポット溶接で合わせて空洞になっているのも、軽量化の理由のひとつだね。
ただ、軽さのと引き換えに強度は低くなるので、うっかり岩上などを歩いてツメが曲がったり折れたりするリスクは高くなる。
◆軽さと丈夫さを併せ持ているマジックマウンテンのワカン
フレームはアルミ合金でできていて、パイプの径は21ミリで、3社でいちばん細いパイプになるよ。
その代わりフレームが長くされていて、シャープな印象のデザインだね。
細目のパイプで軽量化を図っていて、多少浮力が劣る分、縦の長さでカバーしている。
加えて、メッキ塗装のコーティングをすることによって、フレームの強度を上げて、雪の付着を軽減出来るんだよ。
でもフレームへの固定はネジ式の留め具を使っているので、破損した場合に個人でパーツ交換をすることが出来るんだよ。
ネジ式の良いところは、ツメやパイプのパーツを購入してユーザーが自分自身で修理が可能なこと。
◆とにかく丈夫で装着に安定感があるオクトスのワカン
フレームはアルミ合金でできていて、パイプの径は23ミリと、いちばん太さのあるフレームだね。
径が太いから浮力もあって、フレーム自体も強いモデルになっているんだよ。
更にメッキ加工コーティングがされているので、強度に加えて、雪の付着も軽減される。
うっかり岩に乗ってしまっても、折れることはあまりなさそうだねw。
ツメの横には前後の滑り止めとなる「第二のツメ」が施されていて、雪への食い込みがより安定する工夫がされているのも良いね。
アルミ合金のジュラルミンはとても軽くて強度のある素材。
ツメを留めているネジもステンレス製で、強くて軽いツメを持つワカンになるね。
デッキベルト
冬用の登山靴を乗せるデッキベルト部分は、アイゼンやスノーシューとは違って、細い紐の上に足を乗せるんだ。
その昔は縄であった部分を、ベルトに変えたのが今のワカン。
各メーカーは特色を生かす素材でデッキベルトを展開しているね。

◆エキスパートオブジャパンのデッキベルトは軽量重視で、ナイロン製のベルトが張られているよ。
摩擦でツメとベルトがこすれない様にリングで防御されているけれど、消耗や切れてしまった場合も、交換パーツを取り寄せて補修が可能だよ。
◆マジックマウンテンのデッキベルトはポリウレタンでコーティングされていて強度のあるベルトになっているよ。
コーティングのおかげで雪の付着も軽減されるんだ。
こちらも交換パーツを取り寄せての補修が可能。
◆オクトスのデッキベルトはナイロンベルトにゴムシートを重ね合わせたベルトになっていて、これも強度が強く作られているよ。
ベルトのハトメ穴に固定具ベルトを通して留めることで、固定具がズレない工夫がされているんだ。
ベルトは別売りされていて、ネジ式で固定のツメも取り寄せて交換ができるよ。
装着具
そして、初心者がもっとも気がかりな装着方法。
ワカンは、チェーンスパイクやアイゼンよりも使う頻度が少ない事もあるので、装着の仕方を毎年忘れてしまい、復習や練習をする事もあるんじゃ無いかなw。





ワカンを裏返しにしてアイゼンと併用する。
そんな都市伝説の始まりは、「木製ワカン」の時代があって、そこから始って今だ語り継がれている、過去の遺物のお話なんだよ。
その昔、45年ほど前にアルミ製のワカンが登場する前は、麻縄と木で出来たワカンしかありませんでした。
雪がある程度踏み固められた登山道や表面がクラストした雪上を歩く時には、アイゼンだけだと時々踏み抜いてしまう事があります。
そんな時はアイゼンを装着した上にワカンも併用すると解決するので、そんな使い方が出来ると言われていました。
なぜ裏返しにするかと言うと、木製の爪は固い雪には刺さらないし、写真のように爪が削れたり割れたりするから。

爪を消耗させないように裏返しにして使うのです。

現代のワカンの爪はステンレスやジュラルミンで出来ているから、裏返しにしなくても爪は雪に刺さります。
その爪が刺さらないような滑落の危険があるような場面では、絶対に併用してはいけません。
併用するとアイゼンの効きは悪くなるし、ワカンへ雪が付着しない様にパイプに施されているスルスルしたメッキ加工が足元を滑りやすくしてしまい、滑落のきっかけを作るだけ。
ワカンを裏返しにしてアイゼンと併用するなんて半世紀も前の都市伝説だから、皆さんそんな使い方はやめましょうね。
色んな雪のフィールドを歩いた経験があったなら、思い返してほしいな。
併用できるような場面では、裏返しにしなくてもワカンは使える。
ワカンの先端が反ったベントタイプもアイゼンと併用出来るんだよ。
だから、「ベントタイプやラチェット式は裏返しにして使えないから、アイゼンと併用出来ない。」なんて過去の使い方から伝えられた都市伝説には惑わされないようにしようね!