旅のこと

大河ハイキングでこうする!☆松平郷&天下峯②

天下泰平!☆新緑の王滝渓谷と天下峯
後編:王滝渓谷と親氏が天下泰平を願った天下峯六所山

天下峯からの六所山と炮烙山

松平氏、徳川氏発祥の地。愛知県豊田市へハイキングへ行きました!

このエリアには、低山ながらも自然溢れる景観のハイキングコースが多くあります。

家康縁の寺院や、緑溢れる渓谷の道。

クライミングで有名な山は、徳川家康の祖先が天下泰平を祈願した伝承のある頂でもあります。

室町時代に築かれた史跡も多く、歴史と新緑の匂いを嗅ぎながら散策を楽しめる場所。

今回は松平家ゆかりの地を絡めたハイキングコースを前後編にてご紹介(≧∀≦)!!

その後編でーす!

前編:松平の始祖、初代松平親氏が住んだ松平郷と六所山

後編:王滝渓谷と親氏が天下泰平を願った天ヶ峯

mataTabi  2023年5月
行き先は愛知県豊田市 天下峯。



後編のハイキングコースは王滝渓谷から天下峯を歩くルートです。

登山口の王滝渓谷は豊田市街地から東に9キロの王滝町、巴川支流の仁王川沿いに広がっています。

豊田市駅よりバスにて約1時間、豊田松平ICから301号線を経由して車で約10分。

王滝渓谷は東海の昇仙峡と言われ、美しい緑の渓谷を散策するルートがいくつも整備されています。大きな吊り橋やバーベキュー場もあり、家族連れなども楽しく過ごせる自然公園です。

王滝渓谷駐車場からスタートします。まずは梟ヶ城展望台へ向かってひたすらな階段道を上がりますよ〜(@@;)

梟ヶ城展望台へは、階段道

階段横にはカラフルなイラストで描かれた王滝渓谷の案内版が立っています。ぎゅっと凝縮されているけれど、色々ある渓谷エリアの広さが伺えます。

整備された登山道は、ほぼ階段で構成された登り道です。梟ヶ城展望台までひたすら登りなので、登り始めの足と心肺準備できるけど、はぁはぁ・・・(@@;)

梟ヶ城展望台に着きました。広い山頂広場に立派な展望台が立っていて、桜の木やさつきの茂みに春の展望台は素敵だろうなって想像。

なぜなら、こんな気持ちいい広場から、遠く眺望が広がるお花見が出来そう!

強い日射しをさけて展望台で小休憩。丸太で出来てる梁かと思ったら、コンクリートで造形された手の込み様な造りに驚きました!

山頂には、ふたつに割れた大きな岩が立っています。

岩の名前はないみたいだけれど、梟ヶ岩とでもしましょうかw

岩に挟まれたりして遊んだあとは、グッと下り道を進んでお地蔵様の分岐へ。お地蔵様に手を合わせて、左へ折れます。

なだらかな森のトラバース道から、一気に100メートル下って渓谷へと降りていきます。

歌石園地は王滝渓谷の交差点

沢の水音が大きくなって、古い木橋の架かる渓谷に着きました。豊かな水量の少し緑がかった沢水がザーっと耳に心地良い音を響かせています。

ここ大滝渓谷の歌石園地は、駐車場の案内版の③の場所ですね。

①王滝渓谷駐車場→⑥梟ヶ城展望台→③歌石園地と歩み進んできました。

広場には新しめなトイレと、古くもう使われていない売店がありました。昭和の頃にはきっと家族連れで賑わっていたのかもですね・・・。

王滝渓谷の仁王川は、歌石園地で東からグイッと北に曲がって流れていきます。そちらは帰り道に歩くので、川沿いに東へ向かって川上へ向かいますよ。

あら、素敵!

緑へ向かって空中へ延びる様な吊り橋がありました!中之瀬大橋です。対岸へは渡らないけど、やっぱり橋の上を歩くしかないでしょうw

なだらかな巴川沿いの遊歩道。

再びきれいな吊り橋はかじか橋。最近補修されたばかりで、ピカピカ。

川のせせらぎや、鳥のさえずりの中、風がそよいで緑の木漏れ日を揺らします。

小川は川幅を広げて、立派な堰堤が滝の様に水を落としていました。

王滝湖にさしかかった様です。

わぁ!堰堤を越えるとぱっと広がる景色!

王滝湖には立派な王滝橋がかかっていますが、補修中で渡ることができませんでした。

ここは湖と言うより、川に沿って湿地が広がっている緑地のようです。突然に現れる広い庭園の様な風景には驚きを感じます。

宮川散策路へ寄り道

王滝渓谷には散策路がいくつかあります。

その中でも特色が強くて、驚く様な景観の散策路が宮川散策路。

王滝湖が緩やかに湾曲しながら、再び川幅が細くなる所から始まります。

木橋の先にはバーベキュー場があるようで、川沿いで遊びながら一日を楽しめそうですね。

すごい巨石が取り囲む渓谷!

ちょっと薄暗い渓谷。本当に散策路がこの先にあるの?ってドキドキしながら巨石の隙間を進みます(O_O)

道? 苔の中にうっすらと踏み跡がある様な無い様な・・・(^_^;)

巨石の中を彷徨うように道を探って歩きます。

あきらかに造られた石段に出会い、間違っていなかったと安堵です。それほどに何年も前に造られて、歩く人も少ない散策路なのでしょう。

岩の上や、川砂を水の流れに沿って歩いて行く散策路は、まるで探検をしている様な気持ちになります。

視界は苔と新緑の緑だけ。

 

流れる沢の中で巨石を歩く不思議な道は、うっすらと薄暗い森を行く静かなプチ探検でした。

王滝渓谷を抜け、田んぼの道を歩く

新緑の渓谷を後にして、天下峯へと向かいます。

渓谷の出口には古民家カフェがあって、土日祝日のみOPENの看板。ワンドリンク注文で食事の持ち込みがOKとか、ワンちゃんOKとか、優しくて自然いっぱいでくつろげそうな空間そうで、立ち寄りたくなってしまします。

ところでMacroって名前のワンちゃんがいるのかなぁ?ww

渓谷出口にあるカフェから集落の公道に出ると、田植えの真っ最中。

水が美しく張られている水田が田植えを待ってキラキラ空を映しています。

のどかでしかない・・・。

今回、こんなタイトな行程のハイキングなのに、すでに山と渓谷とロードを歩いています(O_O)

最初の三叉路を左に折れて緩い坂道を行きます。三叉路には案内版が立っていて明確で安心。

カーブの先に天下峯登山口へ行く農道の分岐がありました。入口には案内版がと石柱が立っています。先にはぶどう園もあるようです。

好ましすぎる農道に吸いこまれ、ノスタルジーが胸に込み上がる・・・。

天下峯へ

気持ちいい農道が終わる場所に真新しいぶどう園があって、そこから登山口。

ぶどう園は造られたばかりの様。若い葡萄の木の成長が楽しみに思いました。

さ、再び木々の緑色の中へ入りますよ。

天下峯のピークだけに立とうと思ったら、最寄りの駐車場から20分程で上がれてしまいますが、ハイキングミックスを楽しむなら今回のコースは極上なのではないかと思います。

王滝渓谷を抜けて、天下峯西側にある坂上町鎌田からのアプローチ。この道にも楽しい不思議がありました。

苔の張り付いた味のある石柱道標は、この場所に溶け込み始めている最中のよう。

そこからすぐに松平親正のお墓があります。

墓所へと立ち入ったとき、丁度光の筋がスポットライトの様に新しい墓石を照らしていました。

松平郷から六所山へと歩いた時にもあったのですが、石ミノで花崗岩を切り出した遺構らしき大岩がありました。この辺りは花崗岩が多くあるようです。

新緑の穏やかな登山道を歩き舗装路の分岐に出て、道標に従い天下峯の弘法堂駐車場へ上がって行きます。

登山口には天下峯についての説明看板が立っていました。

全山巨岩が露出した岩の山で、標高は360メートル。

山頂からは西三河と濃尾平野、伊勢湾や伊吹山まで一望できる山頂。

前回訪れた松平郷を開いた徳川家康の祖先である、松平親氏が山頂から天下泰平を祈願したとの言い伝えがあります。

また弘法寺の八十八体の石仏が山の西側各所に安置されているため、別名弘法山とも呼ばれているそうです。

この巨石で覆われた天下峯は、東海地域のクライミングのスポットとしてクライマーに知られています。

天下峯

弘法堂の横にある登山口からお地蔵様に見守られつつ登ります。

なんとも不思議な山。

折り重なる巨石の天然の祠の中に、お地蔵様と必ず対で石仏が並んで立っていて、それぞれに番号がふってあります。

山に集まってきたみたいにある巨石達の景観に、昔の人は石仏を置くに相応しく感じたのでしょうか・・・。自然の中に神仏への畏敬を思ったのかもしれません。

そして、気付けば石仏達のいる石の森から、巨石の上に抜け出る高みへ立っていました。

足元はクラクラする岩の崖。巨石にはハーケンが打ち込まれていて、こんな聳えるような岩をクライミングで登っているのに驚きます(*゚ロ゚)

天下峯の山頂に着きました!!

山頂は岩の上です。なんだかこの山らしい感じ(≧∀≦)

三方向に3つ付けられた山頂標の板と、誰かが置いたのか?可愛いぬいぐるみが天を仰いでいます(*^_^*)

山頂からは濃尾平野のどこまでも続く平地風景が広がり、豊田市街が良く見えます。

反対東側には六所山と炮烙山があり、まるでこの場所を境に平地と山が分かれている感じがしました。

山頂からは天下泰平は祈願しなかったけれど、せめて目に映るこの風景があんまり変わらないで欲しいなぁ・・と願いました。

帰りは来た道を王滝渓谷へと戻り、仁王川沿いの舗装された散策路を歩いてスタート地点の王滝渓谷入口駐車場へと戻りました。

ちいさな冒険のショートトリップ 

大河な山散策は、過去と今を繋いで歩くことが出来るロマンがあります。

歴史好きでなくても、過去にここを歩いた人を勝手に思い描いて、少し想像をして、気持ちを寄せる。

自分の周りにはきっと数限りない足跡があって、自分の足跡もその内の1つなんだけど、そんなことを思うと何だか特別な感じ。

とても満足に思える、小さな冒険ハイクでした。