富士山に次いで高い3,000mを超える山々が連なる、南アルプスの北。
奈良田温泉は、その白根の山々の麓にあります。
昔、女帝が過ごしたという温泉。
温泉のお湯も、眺めた山並みも、今も変わらず、訪れた旅人を癒やす。
女帝の湯 浴槽
奈良田の里温泉は、山梨県南巨摩郡早川町にあります。
南アルプスの豊かな水が流れる早川。
早川の西山ダムほとりの温泉地です。
西山ダム湖の奈良田湖は、鮮やかなエメラルドグリーンの水をたたえ、
流れは富士川へと続いていきます。
山間の奈良田の里温泉バス停には立派な待合所が建てられています。
このバス停は、温泉目的で訪れる人の他に、南アルプス登山客が大勢利用するバス停です。
外良寺の広い一般車向け駐車場です。
南アルプス街道は、先の道にマイカー規制があるので、一般の車が入れるのはここまで。
ここ、奈良田の里が、
どれほどに奥深い場所にある温泉地か
伺い知れますね…(^0^;)
そんな奈良田の里に湧き出る、良質な温泉を求めて集落の細い坂道を上がって行きます。
町営の奈良田の里温”泉女帝の湯”は奈良田集落の高台に位置します。
周囲には、古民家カフェや山岳写真館もあります。
バス停や駐車場から温泉のある高台へ上がって、見下ろした西山ダム。
見晴らしの良い場所に、奈良田温泉の女帝の湯はあります。
昔ながらの縁側と土間のある、平屋造りの建物。
瓦屋根と自然が調和して、田舎のおばあちゃんの家のようにも思えます。
登山帰りのお客さんが、ただいまっ!と帰ってきた孫のようw
庭の広場には、奈良田温泉にまつわる逸話が書かれた看板があります。
はるばる吉野から、ここへ湯治の旅をした女帝。大変な行動力です(^0^;)
奈良田の里の湧水
中に入ってすぐに受付があり、右奥へと土間を抜けると、浴舎への長い渡り廊下。
その突き当たりに、女帝の湯の浴舎があります。
カラカラと引き戸を開けると、小さなたたきと下駄箱。
そして、シンプルな木造の脱衣場があります。
浴室は滑りやすいお湯の性質を配慮して、石畳に細かく溝を施こす気遣いが。
浴槽は源泉掛け流し。。
カランのお湯も全て源泉を使用して、ありのままの設備。
小さな湯船へは手を加えられていないのに、42度の程よい湯温源泉が注がれています。
そして隣の大きい浴槽は、源泉温度が自然に下がった37〜39度。
この、程よくぬるまった源泉の心地よさを例えるならば、
「肌へと沁み入る」 そんなお湯なのです。
入った殆どの人が感じる、とろみのあるお湯さわり。
なめらかでツルツルのお肌になる「美肌の湯」の成分がたっぷりです。
泉質 | ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉 |
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主成分 | ナトリウムイオン 94.56ミリバル% |
源泉/湯量 | 42度/毎分40L |
効能 | 神経痛、糖尿病、消化器病、婦人病、冷え性など |
とろんとしたお湯に包まれながら見る窓の景色は、美しい山と奈良田湖の緑。
身体にも心にも、美しい成分を取り込んで、癒やされる温泉です。
町営の温泉施設内にあるお食事処では、土地の食材を味わうことが出来ます。
美人のお湯に浸かり景色を眺めて、お肌と目に栄養を行き渡らせたら、
もちろん舌にも栄養ですね!(≧∀≦)
イワナ定食
奈良田温泉は、南アルプスの玄関口。
この豊かな自然の、更に奥にそびえる雄大な山々もご紹介です。
北岳
南アルプスの最高峰の北岳は、富士山に次いで日本で2番目に高い山です。
夏の奈良田バス停からは、この山を目指す登山者で賑わいます。
南アルプス山脈と並ぶようにそびえる鳳凰三山。
地蔵岳の尖塔オベリスクは遠く高速道路からも見ることが出来ます。
地蔵岳
広大な南アルプス山脈から湧き出る、天然水と温泉の恵み。
温泉と、最奥の自然に触れ、美しく健やかになれる秘湯なのです。