松平郷と六所山☆徳川将軍家のルーツ
前編:松平の始祖、初代松平親氏が住んだ松平郷と六所山
松平東照宮の天井画
松平氏、徳川氏発祥の地。愛知県豊田市へハイキングへ行きました!
このエリアには、低山ながらも自然溢れる景観のハイキングコースが多くあります。
家康縁の寺院や、緑溢れる渓谷の道。
クライミングで有名な山は、徳川家康の祖先が天下泰平を祈願した伝承のある頂でもあります。
室町時代に築かれた史跡も多く、歴史と新緑の匂いを嗅ぎながら散策を楽しめる場所。
今回は松平家ゆかりの地を絡めたハイキングコースを前後編にてご紹介します(≧∀≦)!!
前編:松平の始祖、初代松平親氏が住んだ松平郷と六所山
mataTabi 2023年5月
行き先は愛知県豊田市 六所山。
徳川将軍家の祖先が勢力を拡大していった松平郷は、愛知県豊田市の豊田市街地より東に10キロ、松平町赤原の山村に位置します。
豊田市駅よりバスにて約40分、豊田松平ICから車で約15分。
R301は近年、新たに道路整備工事がされて新しくキレイな道路で、さすが車の街!
昨年の2022年にはWRC開催地が北海道以来12年ぶりに日本ラウンドとなり、FIFA世界ラリー選手権が豊田市にて開催されたことは記憶に新しいですね。
ドライブも気持ちいいエリアです。
松平郷には久能山東照宮から分霊された徳川家康と、その9代前の始祖である松平親氏が奉られている神社の、松平東照宮があります。もとは松平家のお屋敷だったそうです。
家康が生まれた折に、この場所の井戸から産湯用の水を汲んで岡崎城まで早馬が走ったと伝えられている『産湯の井戸』もあります。
第1駐車場から、まずは山回り遊歩道を行き、案内図右上にある展望テラスへ向かって歩きます。
展望テラスから、六所山(ろくしょさん)へ向かう登山道が始まります。
松平郷は戻ってから散策でーす!(^▽^)
目次
山回り散策道から展望台へ
松平郷第1駐車場の入口にメイン通りと平行する様にある未舗装の林道が、展望台へと向かう山回り遊歩道です。
木々の緑に覆われた涼しい遊歩道。
10分ほど歩くと松平太郎左衛門家の墓所があります。
始祖の親氏の孫の代にあたる兄弟の兄が松平太郎左衛門家となり、弟が家康へ続く松平宗家となります。
お顔も分からない程に古いお地蔵さまや、墓石がたくさんありました。
山回り遊歩道は歩きやすい林道ですが、途中ゴツゴツ岩もありますから、展望台に行くのでもスニーカーが良いでしょうね。
新緑も美しい遊歩道。
墓所へ寄り道などしつつ、20分弱で展望台へ到着。舗装された坂道を上がると松平郷展望台です。
豊田市が一望できます。遠く伊勢湾や鈴鹿山脈もうっすら望めるようですが、霞んでしまって見えてるのかどうだか(^_^;)
原生林の道を歩き六所山へ
展望台の右脇から六所山へ向かう登山道が始まります。
展望台までの遊歩道では数人の観光客とすれ違いましたが、ここからは人の気配がありません。
人知れずある里山の道に、古くから原生林の森があることが嬉しい。
静かな道は新緑から濃い緑へ成長中。
今朝、生まれたてかな?透き通った双子の銀竜草が妖精みたいです。
広い尾根道は滑らかに歩きやすく、美しい原生林の静かな道は木漏れ日の道。
松平郷から続いた原生林の道は六所山の登山コースにぶつかって、ここから六所山いのししコースとなります。
六所山は豊田市総合野外センターから幾つかのハイキングコースが整備されていて、ハイキングコースに動物の名前がついてるみたい。
途中に伊勢神宮の遥拝所がありました。伊勢神宮の方向へ向かってお参りをするのですね。
六所山は、愛知県豊田市の東にある六所山は標高611mの山で、三河国三霊山のひとつです。
コースには六所神社の上宮があって、地域の人達のハイキングコースとして長く親しまれている山。
広い境内の六所神社。その右横を抜けて六所山の山頂への登山道はのびています。
山頂には眺望は無いと知っていましたが、その先の見晴台へ期待を込めて歩みを進めたところが、鉄塔が建っていただけ(T-T)周りも草木が生い茂り見晴も休憩スペースもありませんでした~(^_^;
仕方ないので、六所神社にもどってランチ休憩です。
松平郷へ最寄りインターの松平ICすぐにあるJAあいち豊田グリーンセンター松平店で購入した助六と草餅でーす!(≧∀≦)
朝9時の開店なので早朝利用は出来ないのが残念ですが、農産物や手作り食品があって、お土産を買って帰るのもいいですよ。
では、来た道をのんびりとピストンで松平郷へと戻ります。
午後の原生林も光が眩しく、緑が映えて美しい道です。行きには気付きませんでしたが、古い切り出し痕が残った岩が幾つかありました。石ノミが打たれていますね。
岩が多くあって、それを支える地盤がしっかりしているのでしょう。大きな花崗岩はこの近くにある松平城址など実際に切り取られていたのでしょうか・・・
松平郷散策しま〜す!
山回り遊歩道が終わる頃、木々の隙間から高月院が見え、降りていく道もあったので高月院へ舵を切りますよ。
降りた先は、松平郷の奥手にある高月院。
その御門をくぐる前に、トンボ池という素朴な名前に相応しすぎる素晴らしいお池がありました。
池には見頃となった菖蒲の花が咲いて、春の日射しのお池では鴨が夢中になって餌を漁っています。
覗いてみれば、池には鴨が夢中になる生き物たちがたくさん!
いまの時代に出会えて観察できるなんて思わなかった小さな生き物たち。
自生しているドジョウ、メダカ、タニシ・・・。ちょっと感動です。
高月院は松平家の菩提寺で、家康から寺領を下賜されて幕末まで厚遇されてきたお寺です。手入れが行き届いて立派なお寺さん。
令和11年には山門の改修工事が行われるそうです。
境内の鐘は利他の鐘と名付けられ、自分以外の大切な人の幸せを願い優しい気持ちで鳴らして下さいと・・・。
思いながら響く音色。音波が静かに消えてゆくまで心を澄ませます。
家康が植えた樹木が太く大きく枝を伸ばし、ゆらゆらと垂れた若葉がカーテンの様にそよいでいます。
御朱印は幾つか種類がありましたが、お布施が改修に使われる御朱印を頂きました。
とても気さくなお坊様がお話をしてくれて、本堂へ上がって見学や休憩を勧めてくれました。
本堂は今時こんなにもおおらかで良いの?って思うほどに解放されていて、渡り廊下先のお手洗いをお借りしたり、本堂の裏側までも拝見できました。
お寺の細部は美しい装飾がされていて、昔から大切に守って補修されてきた丁寧さを感じました。
高月院からの参道に平行して、小川沿いに気持ちの良い遊歩道が通っています。水路にくだったり、小橋を渡ったり、湿地に木道がかけられていたり、楽しく散策できます。
六所神社でランチしたけどお腹が空いたので、参道の途中にあるお目当ての天下茶屋へ立ち寄ります。
水路沿いの遊歩道を歩くと、直接に茶屋の玄関に当たる感じです。参道からの入口は立派な柱の門構え。
武家屋敷風という茶屋の中へお邪魔すれば、土間から店内への扉があります。
茶屋には室内の他に無料休憩所を兼ねたテラス席がありました。こんなに気持ちの良い午後なのでテラス席で休憩させて貰います。
緑に囲まれた気持ちの良いテラス席。カウンターの横には地元で採れたお野菜や花が安く売られています。
サクサクのかき揚げ蕎麦を頂いてまったりのんびり・・・。
茶屋を後にして遊歩道を下っていくと、天下池と松平親氏の銅像があります。
家康から数えて8代前の初代親氏は、諸国を旅するお坊さんで松平郷へやって来たそうです。
9代目とはどうも似ていない雰囲気の腹筋割れてる初代ですがw、領内の道路を開いて飢え凍る領民を助けたお人だそうです。
松平東照宮です。今日のスタート地点に戻って来た感じになります。
松平東照宮は高月院と同じく、国指定文化財です。東照宮に今もある水濠や石垣は関ヶ原合戦のあとに築かれたそうです。
水濠にはキレイな錦鯉がたくさん泳いでいて、餌やりをすることができます。
松平東照宮に奉られている神様は八幡様と、徳川家康、松平親氏と案内版に書かれていました。このような説明書きがいくつかあって簡単な由来や歴史を知ることができます。
産湯の井戸は本殿右奥の林に囲まれた場所にあります。立派な門をくぐると、産湯の井戸だけで無く、数個の井戸が点在していてどれも御神水として奉られているようです。
伝承で伝わるお話は、家康が生まれた当時には7つの井戸があり、その中の最も古い井戸のお水を竹筒に汲んで岡崎城へ運んだそうです。
境内には松平郷館という、松平将軍家の祖先松平家に関する資料を展示している資料館があります。
展示物には、使用されていた武具や調度品や手紙、年表の掲示があって、特に返還された赤羽刀が何本も展示されていました!
一見の価値ありですね。
参拝と拝殿の見学。
いちばんお目当てだった、拝殿格天井画をいよいよ拝見します(≧∀≦)
直接に拝殿へ200円の見学料を払うか、または拝殿の横にある社務所で御朱印を購入すれば、入場札を渡してもらえます。折角なので御朱印を購入です。
拝殿右手にあるスロープから入ります。
スゴイ・・・。
拝殿の天井画は108枚の漆絵で描かれています。
近年2015年に新調された拝殿の天井画は、ここ松平郷で目にすることができる草花ばかり。今も豊かに残る松平の草花の自然が、訪れる参拝者を美しく可愛らしく見下ろしていました。
漆絵の草花の名前も紹介してあり、美しい写真撮影のコツも書かれていて温かな気持ちになります。
撮影は、スマホを自撮りで畳みの中央に置き、シャッターを切るだけw
鮮やかで色とりどりな、美しい天井画を手に入れることができますよ(≧∀≦)
松平城址も立ち寄りました。
松平城址へは、301号線から松平郷に入る角の松平郷入口駐車場横の道から上がって行きます。上に駐車場はないので、車は入口駐車場までです。
住宅地の坂道を5分くらい上がって行くと、右手に城址への入口があります。案内版が立っていて分かりやすい。
松平城址は国指定遺跡で、徳川家康の祖先の松平親氏が築城した城です。本丸の下にある空堀が残る、室町時代の典型的な山城と説明がされていました。
主郭は小さな広場で木々に覆われていて、眺望も無くて静かな城跡。3.4曲輪への小道を歩いてあっという間に城址見学はお終いでしたが、大きな大きなヤマモモの木と出会えました。
低山ハイキングは里に近い山歩き。
今回の松平郷は、受け継がれた里の歴史の色濃いエリアでした。
その里山と共に人の歴史があって、山物語がある。
そんな雰囲気をなぞりながら、山も里も一度に楽しめて歩ける場所でした。
おまけは松平まんじゅう!
松平郷から車で8分ほどに松平まんじゅうのお店、ふるさと本舗があります。
松平ICへ向かう301号バイパスではなくトンネル手前の左側道へ入ります。
名物、松平まんじゅうの他にも、ういろうや草餅、蒸しようかん、草団子。いろいろな和菓子が売られていました。
松平まんじゅうは、先ほど紹介したJAあいち豊田グリーンセンター松平店でも購入することができます。お土産に良い感じですね!
黒糖の素朴な風味が優しくて美味しいおまんじゅう!滑らかなこしあんの舌触りに、トッピングの黒ごまアクセントがプチッと効いて美味しかったー(≧∀≦)!
新緑の季節。原生林の緑の木漏れ日を浴びる気持ちいいハイキングと合わせて、由緒あるお寺や神社を巡ることのできるこのコース。美術的に価値ある装飾や刀も見所でした。また、季節を変えて再訪したいと思う場所でした。
後編は、松平親氏が天下泰平を祈願したと言われる山、天下峯を歩きます!