御座山山頂
御座山(おぐらさん)は長野県の南相木村と北相木村にまたがる、標高2,112メートルの山です。
日本二百名山の一座で、難読山名のひとつでもあります。
今回は台風一過に、南相木村からの粟生登山コースにて御座山にお邪魔しました。
タイトな山行ルートですが、驚きと美しさを感じるお手軽なハイキングコースです。
2023年9月初頭 行き先は御座山
✿もくじ✿
●粟生登山口から不動の滝
●九十九折りの山腹のち鎖場
●真っ白な前御座山とコルから巨大石壁
●抜け出るってこんなこと!御座山
●粟生登山口から不動の滝
東西に長い南相木村。
相木川に沿いにある南相木村の綺麗な長い住宅地を東へ東へ。
更に栗生川に沿って整備のされた道を行った先に栗生登山口の駐車場があります。
栗生川の支流になる沢の横から登山道はスタートです。
登山口の沢は水が涸れてますね。
登山口横には手描きのイラストで作られた案内版が立っていて、味があって可愛らしい(≧∀≦)
道は沢をすぐに左手へと分かれて、登り始めます。
丁寧な道標が、この後もちらほら付けられてましたよ。
穏やかな登り、広い唐松林の道を散策するように進みます。
きっと秋は、唐松林が素晴らしくキラキラと輝く道だろうと想像しちゃう
( ´艸`)
素敵なアプローチです。
小さな花も可愛く咲き、緑の絨毯が広がるワイドな斜面。
原生林も色々な緑を降らせています。
案内版のイラストにあった、古い営林署の注意書きです。
味があるなぁ!
左手の大きな岩壁を過ぎたところ、不動の滝が正面に見えてきました。
見上げるほどに近づいて、岩壁に跳ねる滝の飛沫を身体に浴びます。
気持ちいい〜(*⌒▽⌒*)
以前、ここの何処かに不動尊の石仏があったそうですが、大雨の被害で流れてしまったとのこと。自然の力は予想は出来ないですね・・・。
でもこの大きな岩石の壁自体が不動尊のように立派で、流れる滝とひとつの神仏のように思えました。
●九十九折りの山腹のち鎖場
滝を過ぎると、なんだか急斜面を見上げながら山肌をトラバース。
そして案内版にあった古いミズナラの巨木を見上げ、見上げてばっかりの道です(@@;)
ふにゃぁ〜‥って疲れて足元を見れば、なんとも可愛らしい三兄弟のキノコ達が並んでいました( ´艸`)
森の美しさと、登り道のしんどさと、まぜまぜな楽しいハイキングです。
やがて、巨石の壁が現れて大きさに感心しつつも、道はあの岩壁の下を回り込んで行くみたい。
巨石の壁横を進んで上がって行くと、鎖場が現れました。
アスレチック要素まで、この短いルートには盛り込まれているのですね!
台風後で、雨が乾いていない岩場の鎖はちょっと緊張しますが、鎖がしっかりと頼りになってくれました。
●真っ白な前御座山とコルから巨大石壁
鎖場のある核心部をヒーコラ登ると、本当なら眺望が開けるポイントなのでしょうが、残念ながら雲が覆い隠して真っ白いカーテンです(T-T)
かろうじて、送電線と雲の隙間からダム湖がチラリ。
更に、コメツガとシャクナゲの道を登って行きます。
小ピークの前御座山に着きました。
眺望は無い林の中の山頂ですが、御岳神社の小さな祠があって手を合わせます。
ここから、また鎖場も現れる森の中を少しだけ下ります。
足元が滑るから、下りの岩道は注意ですね(^_^;)
金山沢ノコルにさしかかります。うっそうとした森の中の細い道を歩いてきたので、解放感があって可愛いコルに感じます。
御座山への登山道は、今回歩いている南側から登る栗生登山道と、北側から登る白岩登山口、長者の森登口からの南北だけと思っていましたが、このコルに分岐があるとは、地図を見落としていました。
北相木村からの山口コース登山道だそうですが、草に覆われていてあまり歩かれていない感じがします。
どんな道なのかなぁ。
コルから登り返しでいよいよ御座山に取り付き始めます。
いかにも!な巨大な岩壁が聳えて待ち受けています。
さすがにこの巨石を登りはしませんので、回り込んで奥へ。
山頂手前の森は、すっかりガスに覆われてしまっていて、雰囲気あるけど晴れの山頂は望めなさそう(T-T)
避難小屋につきました。
窓枠も雨戸もアルミサッシの、小さな別荘みたいな避難小屋です。
入口には御座山の山頂標が表札のようにかかっていて、室内は広くきれいな感じですね。
着替えに使えるようにワンタッチテントが置いてあります。
気遣いが良いですね!(^_-)
●抜け出るってこんなこと!御座山
避難小屋が分岐になっていて、小屋から左手へ回り込んで山頂へ進みます。
観測施設の解体をしている資材が置いてある旨の貼り紙がありました。
観測所はどこにあったんだろう?
そして予想通り、全く眺望のない山頂部へと抜け出ました!(T-T)
真っ白すぎて、岩稜部の恐怖感も白く飛びますw
仕方ない・・・。
おなじみな団子の山頂標を記念撮影して、諦めてのんびりとランチタイムです。
でも、どんどん雲が湧いては流れて・・・!
気付けばやって来ました!!
見える世界が!!(≧∀≦)
わー!開けて開けて、下の広がりを見下ろすことが出来る!
とはいえ下半分の広がりだけで、噂の八ヶ岳眺望や北アルプスなどはさすがに無理(^_^;)
それでも雲が流れて見えて、隠れて消えて‥
そんな繰り返しの中に広がる緑の大地と、大気のショータイムを眺めながら、のんびり過ごすことが出来た山頂でした。
今回、台風の過ぎた翌日に歩いた御座山でしたが、短い行程の中に美しい森や滝、厳しい岩稜の変化に富んだ楽しいハイキングコースだと思いました。
加えて、もし今回の山頂からの眺望がベストであったなら、こんなに素晴らしいコスパの良い山はなかなか無い!と多分大満足だったと思います。
カラマツの美しい季節や、シャクナゲの新緑の頃に、また気軽に鳥の目線を求めて再訪したいな。
今回の山歩きルート