今回は奥秩父にある和名倉山を歩いてきました。
和名倉山は埼玉県秩父市にある標高2,036Mの山で、日本二百名山にもなっています。
雑味一つない澄み切った大気から降り届いてくる強い陽の光。
眩しい山並みは、どれも初冬の正しい山の姿に感じます。
遠くも近くも見るもの全てがひたすら眩しくて、太陽の暖かさと日陰の寒さの境目がはっきりと分かる季節。
文句ない大晴天の下、テント泊にて将監小屋からピストンで長く柔らかい道をのんびり歩きます。
2023年11月中頃 行き先は和名倉山
✿もくじ✿
●DAY1〜三ノ瀬登山口−将監小屋
☆整備された林道をひたすら歩く
☆将監小屋とテント場
●DAY2〜将監小屋から和名倉山ピストンー三ノ瀬登山口
☆ギン冷え!朝の霜柱のざくざく道と笹藪ファイト
☆リンノ峰から東仙波は眺望の稜線!
☆森散歩気分で奥秩父の山を堪能
☆和名倉山山頂からピストンで下山です
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●DAY1〜三ノ瀬登山口−将監小屋
☆整備された林道をひたすら歩く
登山口近くにある民宿みはらしさんです。
ここは登山客向けに貸し駐車場をしていて、1日500円の駐車料金は玄関の木箱へ投入します。
プーさんが店番さんのようですねw
プーさん、行ってきまーす!
将監登山口との看板があります。地図では三ノ瀬登山口との表記ですね。
ここから全て林道を歩いて、本日の目的地の将監小屋へ向かいます。
林道は沢沿いに伸びていて、整備された広い道は歩きやすくて楽ちん。
重いテント装備も、将監小屋までわずか2時間の林道歩きと思えば、気持ちも軽いもんです(^_^*)
30分ほどで、牛王院下の分岐に差し掛かりました。
将監小屋を経由せずに直接和名倉山へ向かうにはここから七ツ石尾根へ。
でも将監小屋で前泊するので、引き続きダラダラな林道を登ります。
整備が行き届いたこの林道の秘密は、どうやら東京水道局の管理地だったから。
豊かな水を蓄えた奥秩父山塊。
そういえば、以前に行った甲武信岳には荒川の水源があったっけ。
地表から染み出た水が、氷柱となって地面から下がっています。
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☆将監小屋とテント場
青いトタン壁の将監小屋に到着しました。
本日の行程はここまでです(^^;;
通路を挟んで管理棟と宿泊棟の対面に、自炊室、喫煙室が建てられています。
その向こうの斜面が幕営地の様。
きれいなバイオトイレと噂のトイレ棟も立派です。
トイレも水場もテント場から近くにあって便利そうなです。
水場の水もじゃんじゃん出ていて、その水を利用してワサビが栽培されていました。
テント場は斜面に階段状に整地されて、開放感ある広い敷地です。
高めの位置にテントを張ります。
段差の壁がちょうどいい風よけになって、プライベート感も出してくれます。
oxtos(オクトス)アルパインライトテント2人用 OX-084
今回は寒くなってきたので前回まで使っていたシングルウォールは流石にやめました(^◇^;)
寝具のシュラフも冬仕様に衣替え。
暖かくて、肌触りが気持ち良くて、シュラフにくるまる事って幸せですよね。
足元もダウンのテントシューズと使い捨てカイロで防寒対策は万全です。
でも!
やはり一番の防寒対策は、熱々のお鍋ご飯とビールです!(*^o^*)!
ご当地なほうとう鍋でぽっかぽか〜!
テントの設営時から、短時間だけど降り始めた雪。
今夜はとても冷えそうでうす。
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●DAY2〜将監小屋から和名倉山ピストンー三ノ瀬登山口
☆ギン冷え!朝の霜柱のざくざく道と笹藪ファイト
おはようございます!
−4℃の夜を過ごし、迎えた朝の空は澄み切っています。
テント場からの急坂を上がれば、すぐ将監峠の分岐。
峠は奥秩父縦走路と交わります。
奥秩父縦走路は雲取山から金峰山を結ぶ道で、いつか歩いてみたいな。
熊笹に縁取られた縦走路を笠取山方面へ歩いて、山ノ神土分岐へ向かいます。
朝の縦走路から南方向には、樹林の隙間に浮かぶ富士山が見えます。
北の方向には、これから向かう和名倉山へ辿る尾根の山々が朝日を浴びてオレンジ色に光ってる。
何だかアップダウンが多そうな感じですね(^◇^;)
奥にトンガっているのはリンノ峰と思います。
そして足元の道には立派な霜柱(*^^*)
和名倉山への分岐の、山ノ神土に着きました。
奥秩父縦走路はきれいな道ですが、和名倉山分岐から先は笹に覆われた道です。
見えないけれど登山道です・・・。
笹藪に埋もれているけど、かき分けて進みます(>_<)
胸まである笹藪の滑る足元に苦労しながら進むと、ようやく開けた稜線に出ました。
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☆リンノ峰から東仙波は眺望の稜線!
リンノ峰を西側に巻いて明るい笹の道を稜線上に出れば、広がる眺望の先に富士山がスンと現れました。
近すぎず、遠すぎず見える富士山のミドルレンジ感覚が丁度いいなぁ・・・。
振り返れば、三角錐のリンノ峰がいい感じ。
ルート上にポコッと目立って可愛い峰です。
道は稜線上を這うように伸びて、途中で石楠花のトンネルをくぐったりもします。
笹藪も無くなって、眺望も素晴らしくて、道も優しくて、楽しい!
石楠花の混ざった林の中に西仙波のピークがありました。
西仙波の林を抜けると後は解放された稜線の道です!
抜ける空と、素晴らしい眺望がどこまでも広がる道(*´∀`)♪
北西に縦縞の筋模様がハッキリと見れる雪山は浅間山。
西にはうっすら塩を振りかけたような金峰山と右横に甲武信岳が見えます!
そして向かう稜線上の先になだらかに横たわる山容は和名倉山!(*’▽’*)
目的地と行く道が見えるのってワクワクします。
東仙波に着きました。
西仙波から東に折れた道も、再び北へと直角に折れて進みます。
ずっと寄り添って見えていた富士山も、ここでいったんお別れ。
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☆森散歩気分で奥秩父の山を堪能
東仙波を折れると、今度は富士山の代わりに金峰山と甲武信岳が寄り添ってくれます。
奥秩父の山並みは続いて、遠く向こうまで歩ける道があるのです。
奥秩父の山並みと浅間山が並んで見える眺望の良さに驚きます。
向かう和名倉山も正面に。
気持ちいい道歩き過ぎです。
森に入ると、まだ朝日の届かない場所には凍えた緑が光を待っています。
太陽と北風の様に、明暗分かれる場所がハッキリした世界。
森が切れた隙間から、遠くに南アルプスが白く輝きます。
甲斐駒ヶ岳、北岳、間ノ岳ですね。
朝日の影になる西側の道は日陰。
でも上の青空は生き生きと青く眩しいから、日陰の森はマダラ模様。
吹上ノ頭を西に巻いて、明るい林に出ると八百平です。
尾根というより広場みたいな八百平の広い稜線は、唐松とコメツガの林が広がります。
八百平のコルからは和名倉山分岐の二瀬分岐まで登ります。
緩いアップダウンが長く長く続くコース。
二瀬分岐への途中に、川又分岐の道標がありました。
地図には川俣へのルート記載はないのですが、どんな道で行くのでしょうか?気になります。
奥秩父は深い。
岳樺と唐松の枯木が、蒼穹へ真っ直ぐ手を伸ばしています。
枯木の隙間から根元まで青色の登り道は、冬の景色。
二瀬分岐分岐に着きました。
古い青文字の道標がひっくり返って埋もれていたので立てかけ直して、分岐を右へ進みます。
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☆和名倉山山頂からピストンで下山です
ここからは行く道で見たのっぺりした峰の稜線下を、沿うように緩く山頂へ。
カラマツ林がどこまでも明るく行く道を囲みます。
常緑樹のコメツガが細い葉で日向ぼっこをしていて、冬の緑も柔らかいなぁと感じる。
緑の中に和名倉山の山頂は現れます。
噂どおりに何の眺望もない、ただ山頂であるというだけの山頂。
戻りも時間がかかる行程なので、無い眺望をこれ幸いに、山頂と三角点をタッチ&ゴーな勢いでピークを後にします。
山頂滞在時間の最短記録を更新した感じですね(^^;;
でも山頂までの、とっ散らかった木々の森は私のツボで、好みすぎる世界に頭から変な物が放出されるのを感じます。
山頂でのランチは寂しすぎる感じだったので、日当たりの良い適当な斜面にて、枯葉の上でピクニックランチです。
お手軽コンビニ弁当とミニカップラですが最高!(^○^)
来た道を再び歩いて戻ります。
行きも帰りも、時間はあまり変わらないのがこのルートで、細かなアップダウンを再びなぞって歩きます。
将監小屋に戻った頃には、自分のテントだけがポツンと寂しげに立っていて、小屋番さんも引き上げた後の無人小屋。
ちょっと、時間のんびりし過ぎたね(^_^;)
下山は林道をテクテク歩くけど、スマホにダウンロード済みの音楽を熊よけ代わりに流して歌いながら帰ります。
和名倉山は深くて遠い大きな峰で、登山道の整備が進む以前は奥秩父の秘峰と言われていたそう。
その眺望のない山頂は、かつて笹藪を漕ぎ進み、広い山中の方向を読み定め、長い道のりで目指した頃の和名倉山の名残を今に残しているみたい。
そして現在の登山道は、カラマツ広がる明るくて解放的な尾根筋道と、かつて覆っていたコメツガ原生林とコケの森を楽しめる道。
なんて言うか、まさに道中を楽しみながら歩く、これぞハイキング!って山だなぁと感じました。