山って、ずっとそこにある物だと思っていた。
でも九州の山には、
そんな感覚は古くさいみたいです。
mataTabi 2022年11月
行き先は雲仙
雲仙岳は、普賢岳、国見岳、妙見岳の三峰を含めた20以上の山々が集まった、長崎県の島原半島にある火山です。
かつての主峰は普賢岳だったのに、たった5年の歳月で成長した火山が、最高峰の座を奪ってしまった。
地球規模からはほんの一瞬の出来事なのだろうけど、自分の生きてるタイミングに重なって生まれた新らしい山。
そんな、雲仙の平成新山を訪ねに行って来ました。
雲仙仁田峠のRW駅にある駐車場です。
すっかーーーん!て晴天(≧∀≦)!ふふふ。
少しスロープの歩道を上がって行くとすぐに雲仙ロープウェイの駅があります。
”せんぺい”って何だろ?帰りに寄ってみよう。
かわいいロープウェイがぶら下がってます。
そして、このロープウェイからの眺望が、とにかくビックリな見事さなんです!
実は、今回のハイキングの中で最も美しかったんじゃない?なんて思うほど…。
もう晩秋の山の中で、この先にある妙見岳から下付近の標高は、紅葉の見頃を迎えていて、
ちょうどRW運行エリアは、花の咲いたようにな七色の錦絵が眼下に広がっています!
枯れ枝と紅葉と緑葉のモザイク敷布が、山肌にさらりと掛けられているような…。
ロープウェイ妙見駅から登山道の入り口です。
ここから妙見岳まではすぐの距離なのと、神社があることもあって登山以外の観光客も気軽に行ける山頂。
明るい低木の樹林の隙間から、早速雲仙岳と平成新山が見えます!
左にぽこっと見国岳も。妙見岳を通ったら次は見国岳へ行きますよ。
眼下には空池でしょうか?
島原半島の真ん中の雲仙岳は、グルリと海に囲まれています。
RW駅から15分もあれば、妙見神社に着いてしまいます。妙見岳の山頂!ですね。
何の神様が奉られているのか分からないけど、取りあえず登山安全祈願でムニャムニャ…。
さて、ここからは登山客のエリアになっていきます。
切れた崖の西側には主峰の平成新山がこちらを見下ろしています。
尾根に沿って伸びる登山道の先には、妙見岳、国見岳、普賢岳の三岳の内の2座目、国見岳がポッコリ。
歩いて行く登山道もハッキリ見えます。
山肌が青空と海を背景に映えて美しい眺め…。
こんな、明るい尾根道を歩きつつ、海と先の山を見て進む喜び!
東の外輪尾根を歩ける登山道があって良かった。
自分の目線が、鳥になって風になって、山肌を下ったり上がったりと撫でまわるよw。
角度を少しずつ修正するように、普賢岳と平成新山がシンクロしている。
国見岳の分岐から、山頂を見上げます。
カラフルな枯山の国見岳へアタックです!
往復で30分程度の小さな山ですが、その分急登で鎖もあったりします(^_^;)
でも、それだけすぐに高台に上がれるから、何てコスパの良い山頂。
登り途中に振り返って見る妙見岳と稜線が、ここまでの短い散歩道に見えない凄さ!
奥にかまえる野岳の滑らかな片袖は、美しい着物を羽織っているみたい。
そして、国見岳から眺める普賢岳と平成新山の、まぁ!なんちゅー格好良さでしょう!
さあ、国見岳を後にして、過去と現在の主峰が待つ先へ進みましょう!
分岐から進んで振り返った見国岳は、まん盛り可愛いお山。
良い展望台でした!
道は一気に140mほど下って下って、谷に着きます。
この谷の分岐の先にある紅葉茶屋の分岐から、普賢岳へ登っていきますよ。
セピア色の谷には、マユミのぷっくりモスピンクの可愛らしい実。
ほどほどの登り返しで、樹林を上がって行けば、平らな道に小さなお社。
そして、もう一段上がるように、低木樹林を抜ければ再びの眺望が出迎えます!
枯れた紅葉絨毯の向こうに、国見岳と妙見岳と野岳。
普賢岳に到着です。
山頂票は、まるで平成新山の為の石碑のよう。
でも、普賢岳山頂票の足元は、何度も倒れては立て直された様子もあって、山の歴史を見てきた石碑だね…。
真正面から望む平成新山。いつか登に行くことができるのかなぁ?
山頂を後にして、再び紅葉茶屋の分岐へ。
登山道には、周回コースの一方通行情報や、ハイキングのレベル分けされた登山道の看板がありました。
紅葉茶屋からロープウェイ乗り場までの道は、秋の散策路。
午後の傾く日射し。
斜めから受ける強い光に、セピアが浮き出される。
西陽は秋の森を、なんて美しく輝かせるんでしょうね…。
きらきら、只々まぶしい。
ゆるゆると、森の中の散策路を小一時間。
晩秋の森を浴びるように身体に取り込みながら歩いて、ゴール。
ロープウェイ仁田峠駅は、まだ午後の観光客がこれからロープウェイに乗ろうとしていました。
島原半島中心の雲仙岳は、沢山の小さな山頂が島の中心に集まっていて、登り方も細かく色々に計画ができそうなエリアです。
その中の、ほんの3時間30分のハイキング。
一番にミニマムな観光登山コースを歩いてきたけど、それでも島原半島の濃い部分をギューッと歩いた満足感が堪能出来てしまう。
そんなタイトな時間で、驚きしか無い地球の営みの一端に触れることが出来るハイキング。まったくもって、スケール感とのギャップを感じました。
そうそう、登りで利用したロープウェイ仁田峠駅で、気になっていた”せんぺい”(≧∀≦)
お土産に購入。
創業から代々受け継いでいる、代表が露店で販売していました。
目を引いたのは、包装紙の島原俯瞰図とインパクトのある”せんぺい”
イラストは当時、創業者が描いたんですよ、と教えてくれました。
温泉水を利用した、ほんのり甘いウエハースは、きっと当時の最高級なスイーツだったのでしょう!
遠く異国へも運ばれていたそうです。
包装紙を丁寧に開いて広げてみれば…。
現代の俯瞰図にはしっかりと聳え立つ平成新山が描かれているw。
サクッと、せんぺいを頬ばりながら、ほんのり甘い旅を思い出す。
今回の行程
山行3時間31分
休憩50分 距離3.7km 登り338m 下り565m