旅のこと

晩秋の祖母山☆おばあさんの山を訪ね歩く

国観峠からの祖母山

祖母山は九州の大分県と宮崎県の県境にある、標高1,756mのお山です。

ゆったりと横たわっている山容は、優しくて、厳しくて、大きく全てを見守るお婆さんのよう。

今回の九州遠征は、何年か前に登りそびれていた百名山の祖母山です!(≧∀≦)

mataTabi  2022年11月
行き先は祖母山

朝。

遠く祖母山の山塊が、まだ目覚め始めたばかりの様子で横たわっています。

雄大だなぁ。これからそっちへ行くよ〜!

祖母山の北谷登山口に到着です。トイレと休憩小屋はきれいめ。

祖母山は九州山地の核心地なだけあって、大分県、宮崎県、熊本県と広大に広がる裾野からは、いくつもの登山口が山頂へ延びています。

朝8時過ぎの駐車場は、広さも台数も充分にあるのに、すっかり満車状態。
取りあえず百名山ハンターは、この行程の短い北谷登山口から向かう人が多いのかな?
まぁ、私も同じ目的ですが(^_^;

北谷登山口から山頂へのルート図看板が立っています。
くるっと周回コース。
セオリー的に急登な風穴コースを登って、千間平コースを下山してきますよ。

先ずは落ち葉に埋もれた林道を、風穴コースへ向かって入っていきます。

すぐに、林の中へ下る風穴コース入り口。
とても分かりにくそうな場所だから、とても分かりやすく道標が建てられていますw。

なんてなんて、美しい林の小径でしょう!

ゾクゾクするってヤツです。

林の隙間から、紅葉の色たちがチラチラとちりばめられて、優しい視界。

道は緩やかに森の中をどこまでも奥へと入っていくみたい。

落ち葉に埋もれた岩の上を進む道も、楽しい。

祖母山は大野川の水源を抱いていて、沢の清流は祖母山の奥の源流を元に、沢山の川を集めながら別府湾に注いでいます。

自生のツガやブナや紅葉や、何て多彩な木々が寄り集まる賑やかな雑木林。

豊かな水の恵みと、沢山の植生と生き物がいる豊かな山って、まさにこんな山なのでしょうね・・・。

やんわりと整備された登山道は、ちょっとずつ高度を上げて急な登りへ変わって来ました。

木々の隙間が多くなって、光が乱舞する晩秋の森。
色はひたすら明るく、赤朽葉色の森。

急登に辟易し始めた頃、見上げれば大きな岩が道を塞いでいます。

コース名の由来になった風穴に着きました。

風穴は山腹に開いた横穴で、夏には穴の中との温度差の対流で、冷たい風が吹き出ます。

この大きな風穴は標高1,300mの場所に開いていて、入り口には高さ3mで4畳ほども広さがある大岩が蓋のように乗っかって塞いでいます。

もちろん中へ入って探検!です。


だけど、石の空洞で行き止まりの空間(^_^;
探検じゃなく見学でした〜w

風穴の上の巨石を乗り越える為にスチールのハシゴを乗り上げます。

道は高度を上げているのに、まるで散策をしているかのような枯れ木の小径。

好み過ぎます・・・。

道は空模様の怪しさに合わせるかのように、キツい岩稜部へとさしかかります。

長っがーいハシゴ(^_^;)

隙間からの眺望が、高く上がってきたこと教えてくれます。
北の方向に国観峠の広い尾根が見えました。

でも、どんどん雲がかかりながら迫ってくるのも見えます(^_^;)

うーん(^_^;)
山頂に着く頃にはさっきまでの晴天は終了でしょうか〜(T-T)

でも、雲の中に覆われて、薄いヴェールを羽織った眼下のジオラマ世界も大好き。

色素が抜けて、そのぶん透明感を増したみたい。
ブロンドから更に淡くなった亜麻色の森が広がっている。

すっかり、ガスに覆われ始めた道のむこうに、最後の岩塊が見えてきました。

この向こうが山頂のようです。

ハイ!いっさい眺望のない祖母山の山頂に到着でーす!(^_^;)

眺望ないから、山頂しか写真を撮りません(T-T)
祖母嶽大明神のお社で、神武天皇のお祖母さんを奉ったお社だそうです。

あと、眺望のない山頂ではカップラタイムしますw
お祖母さま、少し場所をお借りしますね。

しかし私って、どんだけもやしみそ好き・・・(^_^;)

さて、下山は周回で国観峠へ向かって降りていきますよ。

更に、九合目と宮原方面に分かれる分岐の細かな道標。

そして道は、驚きの広い広い国観峠に出ました(O_O)

何て広い!野球とかサッカーできそう〜(^_^;)
この広場は、もちろん救助ヘリポートにも利用されているようです。

ぽつんと片隅。赤いお召物のお地蔵様が見守っていらっしゃる。

道はずっとずっと緩やかに、ハイカーを優しく平地に下ろそうとする様に森を案内しています。

優しい山と森が、古い記憶の中の祖母を思い出させるみたい。
シワシワの笑顔が浮かぶ。

山頂の雲の下に抜けて、少しだけ低い眺望が戻ってきました。
丘の様に広い稜線の分岐にある、ピーク利という展望スポットに寄ってみます。

少し高い展望台になっているこの場所からは、うっすら竹田市が広がっていて、厚い雲はとてもその先にある筈の、くじゅう連山や阿蘇山までは見られないね。

気付けば、北谷登山口へ戻って来ました。

登山口の付近の紅葉は、ちょうどまだ残っている感じかな?

最後まで、穏やかな優しくて柔らかい道を歩かせて貰った山でした。

九州の百名山6座の中で、登れていなかったのは祖母山だけでした。
どんなお山なのかをちゃんと気にしたことなかったから、近くまで来て登れなかった事に、後日後ろ髪を引かれていたお山でした。

だから今回、コースをしっかり見比べることもなく、その頃のままフラットに体当たりで山を感じたいと思って歩いてきました。
他のコースを歩いていないけれど、今回の道はとても伸びやかで優しい、本当に祖母の様な深く温かな印象を貰った道でした。

山を歩く道の時々に、道と話しながら、色々な思いを浮かべつつ、婆ちゃんの家の裏庭に遊んでいるみたいな、安心する場所のお山。

今回、見えなかった眺望や、傾山への縦走路や、また訪れる理由があるって思う。そういうのって、やっぱり嬉しいな。

今回の行程

山行4時間48分

休憩1時間9分 距離8.3km 登り830m 下り817m

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